再購入を実現するPDCAの回し方 重要なのは顧客の母数ではなく○○
続いて田中氏は、「毎月の振り返り」で活用する4象限マトリクスを提示した。

縦軸は今月商品を「買った人」「買わなかった人」、横軸は「買わなさそうな人」「買いそうな人」と設定されている。毎月の振り返りでは、「買った人」のデータについてよく議論されるだろう。一方で、売上を増やすには「買いそうだが、買わなかった人」が最も重要だという。

たとえば、自社ECサイトを3ページ以上閲覧したものの、離脱してしまった顧客が何人いたのか。関心が高かったのに買わなかった理由はなんなのか。分析ツールだけでなく、アンケートデータも活用しながら見極める必要がある。
「毎月の振り返りでここまで細かく議論できているプロジェクトは、高い確率で売上を伸ばしています」
その上で、次回買いそうなのか、買わなさそうなのか、「買った人」の中でどの層を重視すべきかを検討する。
「平均的なリピート率は30%です。つまり、今月買った人でまた買いそうな人は少数派といえます。そのため、買わなさそうな人にフォーカスして、リピート率を改善しようとするブランドが多く見受けられます。しかし、本当にそれが正解なのでしょうか」

田中氏は「買いそうな人の買う確率を高めるのが、本来のマーケティング」と強調した。対象となる人が少数であっても、可能性が高いほうをターゲットとして設定する、ということだ。
そこで「コミュニティ化」がキーワードとなる。ブランドと共通の関心・目的・価値観をもつ人たちと適切なコミュニケーションを取り、関係性を構築する。これが、シンプルでありながら今求められている戦略だという。
こうした顧客を的確に見つけ、アプローチできるように、いつも.は様々な角度から支援を行ってきた。たとえば、レビュー分析とアンケートによって、どのような属性の人がどの程度いるのかを可視化。「検討層」の未購入理由まで把握し、施策を細かく提案している。
「ブランドには、アウトプットから深く考察できるマーケターが必要です。当社はスピード感をもって状況を把握し、売上拡大のチャンスを見極められる状態を作る自信があります」

また、同社はAmazonの出店において見るべき指標を一元的に管理・可視化する「itsumo.dashboard」も新たにリリースした。今後も、素早くアクションを起こすための分析や提案を強みに、EC拡大をサポートしていく考えだ。田中氏は、最後に改めて選ばれる理由を設定する重要性を語り、講演を終えた。
「リピート購入にはトリガーがあります。どのようなきっかけと記憶によって、ブランドを思い出し、再び購入するのか。それを調査し、ブランドの強みを生かすコミュニケーションを図りましょう」
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