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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ソーシャルコマースは買い物をどう進化させるか

EC化率1%未満でも可能性を見出した北海道のベル食品 鍵を握るのはフォロワー急増中・公式Xの中の人

目標は2028年までにEC売上1億円 「公式」から購入するメリットを創出できるか

──Xを通じて着実にファンを増やしているベル食品ですが、今後EC事業を伸ばすために乗り越えたい課題はありますか。

ジンたれ君 やはり、リソース不足はまだ大きな課題です。北海道には、EC運営に携わった経験のある人材が多くはありません。また、当社のような中小企業は、EC事業にあまり人件費を割けないのが実状です。実際、EC運営は私が広報活動の傍らほぼ一人で行っています

 それでも、当社は中長期計画で注力する項目の一つにEC事業を掲げています。逆算して必要な投資を行う方針です。私が担当している広報活動とも相性が良いため、認知獲得とともに自社ECサイトへ誘導する施策にも挑戦していきます。

──自社ECサイトに加えて、ECモールでの販売も続けていくのでしょうか。

ジンたれ君 ECモールは価格勝負となるため、現時点での優先度は高くありません。メーカーとして、希望小売価格を守る必要があるからです。長年取引をしている問屋や小売店との関係性を考えると、安売りはできません。また、当社は全事業所・商品において、安全な食品を提供することを示す国際基準「ISO22000:2018」を取得していますが、同基準や社内システムの運用ルール上、今はECモールの専用倉庫を使用できないのです。

 こうした事情から、価格や配送スピードを考慮すると、他社との競争に勝つのは難しいでしょう。実際、あるECモールではシステム上で「価格が高すぎる」と判断され、出品すらできない状態です。そのため、自社ECサイトから購入するメリットを生み出さなければなりません。具体的には、他チャネルでは販売していないEC専用の商品を開発するといった差別化が必要となります。自社ECサイトなら箱買いや業務用サイズが購入できるなど、オフラインチャネルとも異なる価値の創出に力を入れていきたいです。

──様々なアップデートを通じて、これからEC事業をどう育てていきたいと考えているのでしょうか。最後に今後の展望を教えてください。

ジンたれ君 ベル食品全体の売上規模は、2028年を目安に80億円まで拡大させる計画となっています。それにともなって、EC売上は8,000万円~1億円を目指します。EC化率で見ると1%程度ですが、現状と比較すると決して低い目標ではありません。

 将来的には、ファンコミュニティやアンバサダー制度にもチャレンジしたいと思っています。お客様と一緒に商品開発をしたり、屋外でジンギスカンを食べたりするフェスのような企画があっても、おもしろいのではないでしょうか。その実現に向けて、自社ECサイトとSNSを活用しながら、ベル食品の認知度とファンの皆さんのロイヤリティを高めていきたいです。

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この記事の著者

ECzine編集部 藤井有生(フジイユウキ)

1997年、香川県高松市生まれ。上智大学文学部新聞学科を卒業。人材会社でインハウスのPMをしながら映画記事の執筆なども経験し、2022年10月に翔泳社に入社。現在はウェブマガジン「ECzine」で編集を担当している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/15523 2024/11/14 07:00

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