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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

勝つD2C 注目ブランド大研究

木村石鹸、10年の変化を体現するサイトリニューアル 社長と移行プロジェクト推進メンバーに話を聞いた

 2024年4月に創業100周年を迎えた、木村石鹸工業株式会社。同月下旬には、コーポレートサイトと自社ECサイトを統合する大規模なリニューアルを実行した。これまで別々に運用していたサイトを、なぜこのタイミングで一つにまとめたのか。今後、同サイトを介してどのような価値を顧客に届けようとしているのか。同社 代表取締役社長の木村祥一郎氏と、今回のリニューアルを推進した営業・マーケティング部 マーケティングチーム リーダーの金永樹氏に話を聞いた。

コーポレート&ECサイト統合のきっかけは?

 1924年に大阪で創業し、今は三重県伊賀市に工場「IGA STUDIO PROJECT」なども構える木村石鹸工業(以下、木村石鹸)は、伝統的な技法である「釜焚き製法」を受け継ぎ、現在も職人の手による石鹸製造を続けているメーカーだ。

 同社は長年、OEM(他社ブランド製品の製造)を中心に手掛けてきたが、2015年以降は自社ブランドの立ち上げ、製造・販売強化を強化し、ハウス&ボディケアブランド「SOMALI」やヘアケアブランド「12/JU-NI」などを生み出している。自社ブランドの売上比率は年々伸びており、「2023年には全体の約30%、2024年には40%に伸びる見通しを立てている」と木村氏は語る。

「コーポレートサイトを前回リニューアルしたのは、約10年前です。当時はOEMがビジネスの主軸で、BtoB取引を行う企業に対して会社の歴史を伝え、信頼感を高めることが狙いでした。『なぜ今回リニューアルしたのか』の問いに対する答えは、端的にいえば『ビジネスモデルが変わったから』です。

 BtoC比率が上がったことで、『会社そのものを知りたい』よりも『木村石鹸のブランドや商品を知りたい』『知った上で購入したい』というニーズが増えました。そこで自社ブランドの魅力を伝えつつ、販売まで自然につながったサイトが必要だという考えに至ったのです」(木村氏)

木村石鹸工業株式会社 代表取締役社長 木村祥一郎氏と営業・マーケティング部 マーケティングチーム リーダー 金永樹氏
(右)木村石鹸工業株式会社 代表取締役社長 木村祥一郎氏
(左)営業・マーケティング部 マーケティングチーム リーダー 金永樹氏

 EC展開については、最初に楽天市場を「本店」と位置づけていた木村石鹸。後からオープンした自社ECは「くらしの丁度品店」と名付けて展開していたが、自社ブランドの販売比率が高まるにつれ、社内における双方の位置づけは変化する。

「『木村石鹸』と検索して最初にたどり着くコーポレートサイトで案内をしても、サイトの構造としてコーポレートサイトと自社ECが分離している状況がわかりづらく、もどかしさを感じていました。

 実際、現場のメンバー複数人からも『木村石鹸の顔となる場所、情報発信の場は一つに統合したほうが良いのではないか』と2021年ごろから話が上がっており、自社ブランドを強化する今後の方針を踏まえても『そのほうが適切だ』と腑に落ちたのです。『じゃあやってみたら? 100周年には間に合うと良いよね』と、動いてもらいました」(木村氏)

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この記事の著者

加納由希絵(カノウ ユキエ)

 フリーランスのライター、校正者。地方紙の経済記者、ビジネス系ニュースサイトの記者・編集者を経て独立。主な領域はビジネス系。特に関心があるのは地域ビジネス、まちづくりなど。著書に『奇跡は段ボールの中に ~岐阜・柳ケ瀬で生まれたゆるキャラ「やなな」の物語~』(中部経済新聞社×ZENSHIN)がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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