自社で絶えずPDCAを回す坂善商事 店頭からのダウンロード促進施策も鍵となる
2. 高速PDCA
顧客の来店・購入状況や世の中の流れに合わせ、リアルタイムかつ柔軟なアプローチができるのが、スマートフォンアプリの特徴だ。これを存分に活かすには、PDCAサイクルをしっかりと回せる体制作りが欠かせない。神田氏は、ここで坂善商事株式会社の事例を紹介した。
大きいサイズの衣類を扱う「サカゼン」を展開する坂善商事。同社はYappliを用いて、自社でスマートフォンアプリのリニューアルを実現。顧客が使いやすいよう、常日頃からブラッシュアップを重ねていると言う。
「坂善商事様は、顧客がスマートフォンアプリをどう使っているか徹底的に分析し、小さな改善を繰り返しています。たとえば商品検索ボックスの配置を変えたり、タブ機能を用いて目的に応じた情報の出し分けを行ったり、店頭にてワンタップで会員証表示ができるようにしたりといった具合です。 また、同社はスマートフォンアプリの価値を生む施策展開にも積極的です。スマートフォンアプリ内限定のタイムセールを実施したり、ガチャ機能を付与してスタンプやクーポンを配布したりと、顧客にメリットを感じてもらえるような提案を行っています」(神田氏)
坂善商事では、店舗スタッフによる顧客へのダウンロード促進施策も実施。接客時にスマートフォンアプリの良さを伝えることで、ダウンロード数を前年比7倍に伸ばすだけでなく、スマートフォンアプリ経由の売上をリニューアル後3ヵ月で250%に成長させている。
「スマートフォンアプリの利用動向は、リアルタイムで得られる貴重な顧客情報です。こまめに分析し、速やかに施策を講じることで坂善商事様は大きな成果につなげています」(神田氏)
3. パーソナライズ
Yappliでは、パーソナライズ施策も実現可能だ。スマートフォンアプリの利用者個人に向けてメッセージを送っているような表現を施し、企業・ブランドに対する愛着を増幅させることで、LTV向上に貢献する。
「スマートフォンアプリダウンロード時に入力したフォームの情報に応じて情報を出し分け、顧客の動きや嗜好に応じたアプローチを実現しています。前出のUNDER ARMOUR様では『自身が行うスポーツ』や『よく行く店舗』を登録することで、関連グッズの出し分けや情報のセグメント配信を実施。企業・ブランド独自のシステムやデータベースとも連携できるため、さまざまな角度からOne to Oneのマーケティングを実現できます」(神田氏)
ヤプリは、2021年10月にノーコードのCRMツール「Yappli CRM」をリリースしている。同ツールはYappliと連携した顧客・ポイント管理、スマートフォンアプリ上のCRM施策をワンストップで実現するものだ。
「たとえば商品検索をした顧客に対して、該当商品を含むコーディネートの提案をしたり、購入者にお礼のメッセージと併せてアンケート回答をお願いしたりといった施策展開が可能です。従来のMAツールやCDPツールよりも容易な連携を実現し、リアルタイムでアプローチできる点がYappliとYappli CRMを利用いただくメリットと言えます」(神田氏)