シェア拡大に欠かせない多言語化 4つの視点から目的達成を考えよう
Wovn Technologiesは、Webサイト・アプリの多言語化を実現するソリューション「WOVN.io suite」を提供している。最大43言語・76ロケール(言語と地域の組み合わせ)に対応したWebサイト多言語化ソリューション「WOVN.io」やアプリ多言語化ソリューション「WOVN.app」は、小売、百貨店、交通、金融、教育などさまざまな業界の企業に活用され、これまでの導入サイト数は1万8,000以上、翻訳したページ数は500万以上を記録している。
こうした豊富な経験を踏まえ、秦氏はまず「グローバルを意識する企業のWebサイトのありかた」について解説。主に「小売・食品」「グローバル企業」「在留外国人サービス」「訪日外国人向けサービス」と大きく4つの分野に細分し、それぞれに合った目的を達成すべく取り組みを進めると良いと言う。
「小売・食品においては、市場拡大と世界中に企業や製品のファンを作るためのブランディングを、そしてグローバル企業においては、各国にいる従業員への情報発信などが欠かせません。訪日・在留外国人向けのサービスでは、外国人でも日本人でも同等のサービスを受けることができる状態にする、つまり不平等をなくすことが大切と言えます」(秦氏)
秦氏は「インターネットの思想に国境はないが、言語の壁がある」と続ける。Webサイトの多言語化はこのギャップを埋めるために実現すべきものなのだ。
世界に目を向けると、インターネットユーザーのうち日本語を利用する人の割合はわずか3%となっている。世界共通言語と考えられる英語でさえ、25%と全体の4分の1にとどまっており、実際には中国語・スペイン語・アラビア語・ポルトガル語・マレー語・フランス語・日本語の7言語で約半数の46%を占めているのが現状だ。
また、日本人の生産年齢人口は少子高齢化とともに減り続け、2065年には51.4%と約半数にまで縮小することが予測されている。企業が利益を確保し、ビジネスを拡大し続けるには、海外に視野を向けることは必然と言えるだろう。インバウンド需要が激減するコロナ禍においても、「先を見据える企業はすでにアフターコロナに向けた準備をしている」と秦氏は説明する。
「これからは、海外市場や外国人に向けた対応がオフラインだけでなくオンラインにおいても必要です。Webサイトの対応言語数は、拡大できる市場や売上の大きさに直結すると言っても過言ではありません」(秦氏)
しかし、Webサイトの多言語化には金銭的・人的コストという大きな課題があることも間違いない。秦氏は「英語対応と明記していても、実際には企業概要やIR情報のみが英語化されているケースもある」と語りながら、このように続ける。
「たとえ優れた製品やサービスを保有していても、多言語化していない状況でシェアを獲得するのは困難です。日本国内のWebサイトは、多言語対応していても多いもので10言語程度ですが、海外では平均33言語となっています。売上・市場規模の拡大を目指すのであれば、コストを考慮しながらも対応言語数を増やしていくことが必要です」(秦氏)