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2024年3月14日(木)10:00~16:20(予定)

ECzine Day 2021 Autumn レポート(AD)

国境のないオンライン上で必須な多言語対応 継続運用のために考えたいQCDとアパレルEC成功事例を解説

 海外に向けたEC展開について、「やりたい」「やるべき」と認識しながらも、リソース面からつい後回しにしてしまっていることはないだろうか。たしかに更新性の高いECサイトの多言語化は、更新性・継続性を保つ上で規模の大きなプロジェクトだが、ビジネスを拡大する上で越境ECは今後ますます必要不可欠な要素と言える状況だ。2021年9月3日開催の「ECzine Day 2021 Autumn」にて、Webサイト多言語化ソリューションを提供するWovn Technologies株式会社 Marketing Department 秦 藍子氏が「グローバルECサイトに必要な多言語化と効果的な運用手法」と題して講演を実施。その模様をお届けする。

シェア拡大に欠かせない多言語化 4つの視点から目的達成を考えよう

Wovn Technologies株式会社 Marketing Department 秦藍子氏

 Wovn Technologiesは、Webサイト・アプリの多言語化を実現するソリューション「WOVN.io suite」を提供している。最大43言語・76ロケール(言語と地域の組み合わせ)に対応したWebサイト多言語化ソリューション「WOVN.io」やアプリ多言語化ソリューション「WOVN.app」は、小売、百貨店、交通、金融、教育などさまざまな業界の企業に活用され、これまでの導入サイト数は1万8,000以上、翻訳したページ数は500万以上を記録している。

 こうした豊富な経験を踏まえ、秦氏はまず「グローバルを意識する企業のWebサイトのありかた」について解説。主に「小売・食品」「グローバル企業」「在留外国人サービス」「訪日外国人向けサービス」と大きく4つの分野に細分し、それぞれに合った目的を達成すべく取り組みを進めると良いと言う。

「小売・食品においては、市場拡大と世界中に企業や製品のファンを作るためのブランディングを、そしてグローバル企業においては、各国にいる従業員への情報発信などが欠かせません。訪日・在留外国人向けのサービスでは、外国人でも日本人でも同等のサービスを受けることができる状態にする、つまり不平等をなくすことが大切と言えます」(秦氏)

 秦氏は「インターネットの思想に国境はないが、言語の壁がある」と続ける。Webサイトの多言語化はこのギャップを埋めるために実現すべきものなのだ。

 世界に目を向けると、インターネットユーザーのうち日本語を利用する人の割合はわずか3%となっている。世界共通言語と考えられる英語でさえ、25%と全体の4分の1にとどまっており、実際には中国語・スペイン語・アラビア語・ポルトガル語・マレー語・フランス語・日本語の7言語で約半数の46%を占めているのが現状だ。

 また、日本人の生産年齢人口は少子高齢化とともに減り続け、2065年には51.4%と約半数にまで縮小することが予測されている。企業が利益を確保し、ビジネスを拡大し続けるには、海外に視野を向けることは必然と言えるだろう。インバウンド需要が激減するコロナ禍においても、「先を見据える企業はすでにアフターコロナに向けた準備をしている」と秦氏は説明する。

「これからは、海外市場や外国人に向けた対応がオフラインだけでなくオンラインにおいても必要です。Webサイトの対応言語数は、拡大できる市場や売上の大きさに直結すると言っても過言ではありません」(秦氏)

 しかし、Webサイトの多言語化には金銭的・人的コストという大きな課題があることも間違いない。秦氏は「英語対応と明記していても、実際には企業概要やIR情報のみが英語化されているケースもある」と語りながら、このように続ける。

「たとえ優れた製品やサービスを保有していても、多言語化していない状況でシェアを獲得するのは困難です。日本国内のWebサイトは、多言語対応していても多いもので10言語程度ですが、海外では平均33言語となっています。売上・市場規模の拡大を目指すのであれば、コストを考慮しながらも対応言語数を増やしていくことが必要です」(秦氏)

増加する翻訳需要にも対応 コスト減とクオリティ向上を両立する「WOVN.io」

 世の中全体のオンライン化が進む中、やり取りされる情報量は年々増加している。2020年の総データ量は59ゼタバイト(International Data Corporation調べ)となり、翻訳する人材の不足が大きな課題となっている状況だ。

「翻訳需要があるデータのうち、実際に翻訳できているものはわずか1%と情報量の増加に翻訳が追いついていません。翻訳者も圧倒的に不足しており、今後も劇的な増加は見込めないと予測されています」(秦氏)

 需要増に連動する形で翻訳の外注コストは増加傾向にあり、翻訳業界の市場規模は2020年に550億ドル、2021年には583億ドルに拡大することが見込まれている。企業が前出したWebサイトのありかたを体現するには、保有する大量のデータを低コストに多言語化し、高速に発信しなければゴールにたどり着くことは難しい。

「近年は、SDGs(持続可能な開発目標)やダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受け入れやそれをもとにした成長戦略)の手段として多言語化を掲げる企業も増えています。当社ではこれらの目的も含めたすべてのWebサイト多言語化に対応しています」(秦氏)

 従来の多言語システム運用は、数ヵ月から数年という長い開発期間を要し、初期開発費用は数百万から数千万円、運用費用も数十万から数百万円、翻訳はこれらに加算される形で費用がかかっていた。長期にわたる人員確保が必要となり、継続的な運用には企業体力を要するため、ハードルが高いと感じていた企業も多いのではないだろうか。

 しかし、「WOVN.io」であれば、まず日本語サイトを構築した上で、Webサーバーに対してライブラリを導入する、または対象ページに1行のスクリプトを差し込むだけで多言語対応が可能となる。また、Webサイトのテキスト・タグ情報などを日本語サイトから自動取得することで、指定の言語に自動翻訳されるため、開発期間は数日から1ヵ月半程度と短期間で構築ができるのも特徴だ。翻訳の確認・修正やレイアウト調整を含めても、3ヵ月程度だと秦氏は説明する。さらに、言語ごとにWebサイト自体やコンテンツを用意する必要がなくなるため、システム面での初期費用や運用費用を抑えることができ、自動翻訳を利用すれば翻訳費用も削減可能だ。また、既存のCMSや海外のECプラットフォームとも連携実績があるため、導入もスムーズに進めることができる。

「イニシャルコスト・ランニングコストともに削減することができるのが『WOVN.io』の特徴です」(秦氏)

ローカライズに欠かせないQCDバランス ポイントを踏まえ適切な判断を

 次に秦氏は、「ローカライズ対応のポイント」について解説を進める。膨大なコンテンツの翻訳フローを円滑に回して成果を得るには、良質なソリューションを活用するだけでなく、運用の適正化も鍵となる。「コンテンツによって異なるQCDバランスを考慮することが、ローカライズのポイント」と秦氏は語る。

 QCDとは「品質(Quality)」「費用(Cost)」「納期(Delivery)」を指し、これらをコントロールするには「機械翻訳」「ポストエディット(機械翻訳結果を人力で修正)」「人力翻訳」を使い分ける必要がある。

 品質は翻訳精度を指すが、コンテンツによって求められるレベルは変わる。たとえば、医療品の成分やコンプライアンスに関する情報であれば、高品質な翻訳が必要となるだろう。しかし、高品質な翻訳は時間を要する上、コストも高くなる。そのため、すべての情報に同品質を求めるのは現実ではない。

 秦氏は「コンテンツに求められる翻訳の品質や文量で手法を使い分けると良い」と説いた上で、このように続ける。

「たとえば、従業員向けの情報サイトであれば、翻訳の品質以上に多くの情報をタイムラグなく提供することが重要となるため、機械翻訳を活用することをお薦めしています。社内の専門用語さえ間違いなく翻訳できれば、機械翻訳でも十分に目的を達成することが可能です。一方、医療に関する情報は品質を担保しなくてはならないため、人力で翻訳を行います。Webサイトの目的やビジネスの目標を明確にした上で翻訳手法を選びましょう」(秦氏)

 なお、グローバルECサイトのローカライズでは、顧客が購入に至るまでの導線設計も忘れてはならない。たとえば、日本語で作られたECサイトでは自然な会員登録時の氏名カナ入力についても、外国人にはハードルが高い。仮に顧客がカナ入力できたとしても、アメリカ英語の「ミケランジェロ」や「ダビデ」がイギリス英語の「マイケランジェロ」「デイビッド」と同一であることを判断する必要があるなど、運用がより煩雑になる可能性もある。すると、カナ入力が本当に必要なのか、入力項目を設けないといった判断を下すのも必要だ。

 このほかにも、衣類の「ワンピース」が中国語翻訳時に人気漫画『ONE PIECE(尾田栄一郎著:集英社)』と認識され、「海賊王」と変換されてしまうケースも機械翻訳ではあったと言う。利用頻度の高さが機械翻訳の優先順位に影響するため、「固有名詞やジャンルに特化した用語の翻訳は気をつけなくてはならない」と秦氏は付け加える。

「キャッチコピーなどは機械翻訳よりも、ニュアンスを活かして人力翻訳したほうが伝わりやすくなります。当社では機械翻訳、ポストエディット(機械翻訳後の人力修正)、人力翻訳などコンテンツによってさまざまな翻訳手法の選択が可能です」(秦氏)

多言語化で海外売上が大幅増加 4社のアパレルEC成功事例を紹介

 最後に秦氏は、「WOVN.io」を活用して成果を上げている事例を紹介した。

株式会社SHIBUYA109エンタテイメント

 東京・大阪・鹿児島に商業施設を展開し、自社ECでのグローバル展開も行うSHIBUYA109エンタテイメントは、「WOVN.io」による多言語化でサイト直帰率を半分以下に減らすことに成功している。

 同社のECサイトでは、日本語のほかに英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語に対応を予定していたものの、商品点数の多さからすべてを人力翻訳でやるのは非現実的であった。しかし、「WOVN.io」を導入することでほぼ全自動の運用が実現した上に、前出のとおりサイト直帰率を大幅に改善、イニシャルコストの削減にもつなげている。

株式会社聖林公司

 オリジナルブランド「ハリウッドランチマーケット」に加え、インポートやヴィンテージアイテム、フードなどを取り扱う聖林公司は、「WOVN.io」活用で海外流入数、外国人売上を大幅に増加させている。

 同社は、多言語化以前から海外売上があり、本格展開を行えばさらに売上が伸びるという試算を立てていた。そこで、海外顧客が持つライフスタイルへのこだわりに応える表現を行うべく「WOVN.io」を導入。ECサイトの多言語SEOやSNSなどでの発信に力を入れた結果、前出した良い結果につながったと言う。

「『インディゴ』『藍染』など、業界特有の言い回しを翻訳する際には必ず人の目を通して適切な表現にこだわり、購買につながる工夫を施したと聞いています」(秦氏)

株式会社トゥモローランド

 アパレル商品の販売、セレクトショップの展開を行うトゥモローランドでは、「WOVN.io」を用いて多言語化を実現し、海外リピーターの増加率を4倍以上に伸ばしている。

 同社は、「WOVN.io」導入以前からEC売上の2%弱が海外からの購入によるものであったが、インバウンドでの需要を帰国後につなげることができておらず、海外パートナーからも多言語化の要望が上がっていた。そのため、商品の魅力をより適切に伝えるべく「WOVN.io」を導入。機械翻訳とポストエディットを併用して多言語化を行いつつ、併せて代理購入サービスを活用して英語のリピーターを30%、中国語(簡体字)のリピーターを40%増やすことに成功している。

株式会社アニウェア

 アニメ・ゲーム・漫画作品とコラボした、アパレル・雑貨を販売するECサイト「SuperGroupies」を運営するアニウェアでは、「WOVN.io」で多言語化を実施し、半年で海外ユーザーを400%増やすことに成功している。

 「WOVN.io」導入以前は日本語対応のみとなっていた同サイトは、海外からアクセスする顧客の直帰率が高く、外国語での購入問い合わせに対する人的コストが課題となっていた。機械翻訳での対応を試みたものの、アニメ・ゲーム・漫画作品には独特な固有名詞が多く、対応方法に困っていたところでWovn Technologiesに相談が寄せられたと言う。

 「WOVN.io」による多言語化対応後は、商品説明を母国語で読めるようになった顧客からの代理購入が増加。中国語圏の利用者が多いと想定していたが、蓋を開けてみると英語圏の利用者が多いとわかるなど、新たな発見にもつながっているそうだ。

 講演の冒頭で秦氏が語ったように、インターネットに国境は存在しないが、適切な情報を伝え理解してもらうためには必ず言語という壁が立ちはだかる。グローバル化は、自社製品・サービスの良さをより多くの人に知ってもらい、顧客数や売上の増加といった成果につなげるための打ち手として重要であることは間違いないと言える。コロナ禍の一時的な対応としてではなく、ビジネスを成長させる術として「ぜひ多言語化を進めましょう」と秦氏は語り、セッションを締めくくった。

 Webサイト・アプリの多言語化に興味がある/課題を感じている方へ

 Wovn Technologiesは、Webサイト・アプリを最大43言語・76のロケール(言語と地域の組み合わせ)に多言語化し、海外戦略・在留外国人対応を成功に導く多言語化ソリューション「WOVN.io」および「WOVN.app」の開発・運営をしています。本記事で興味を持たれた方はぜひお気軽にご相談ください。詳細は【オンライン個別相談会】開催のお知らせから。

 また、セミナーも毎月開催しておりますのでご参加ください。詳細は出展イベント一覧から。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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