レビュー・Q&Aが店舗での情報収集にも協力 OMO推進で購入機会を創出
「レビューやQ&Aは、店舗でも重要な意味を持つ」と山崎氏は続ける。同氏は「店舗でのショッピングを楽しみたい」という回答が80%となる一方で、「なるべくオンラインショッピングを利用したい」と75%が答えるZ世代に向けた調査データを提示した。一見すると相反する回答内容だが、このふたつは決して矛盾しているわけではないと言う。
「Z世代の消費者は、当たり前のように店舗でもECを使います。店舗とECが組織として分断している企業もまだまだ見受けられますが、CX向上、そして機会損失を防ぐ意味でも、両者を連携したOMOへの取り組みは必須となります」(山崎氏)
想定されるZ世代の購買行動パターンとしては、次のとおりだ。たとえば、書店の棚で気になる書籍を見つけた際、まずAmazonでレビューを検索する。レビューの評価が高く購入したいと思った場合、目の前に書籍があるにもかかわらず、そのままAmazonで購入まで済ませてしまうケースもあるだろう。これは書店にとって大きな機会損失となる。商材にかぎらず、EC・店舗での情報提供やそれぞれの連携が不十分だと、このような状況に陥りやすい。
「消費者が店舗で商品を見て購入を検討する際、同時にスマートフォンで検索・情報収集を行うケースも少なくありません。店舗を運営するブランド・メーカーはその段階から積極的に協力し、ECで購入する場合も自社が持つチャネルでのコンバージョンにつなげる必要があります。そのためには、EC内のレビューやQ&Aを充実させるほか、店舗滞在時にECへスムーズにアクセスできる環境の整備などが挙げられます。レビューやQ&Aを含めたECの完成度が、実店舗での購買行動をも大きく左右する。こうした認識をしっかりと持ちましょう」(山崎氏)
最後に山崎氏は、ZETAが提供するレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」を活用して、独自のコミュニケーションサービス「商品Q&A」を開発したアダストリアの事例を紹介した。消費者同士が質問・回答を行うことができる同サービスは、アダストリアのスマートフォンアプリ「.st」に導入され、サービス開始から3ヵ月で3万件以上の回答が投稿されている。こうしたコミュニケーションの場を提供することが消費者の納得・理解を生むことにつながり、結果としてブランド・メーカーに持続的な成長をもたらす。
「かつて、日本の一部のビジネスでは『マーケティングでその気にさせて買わせる』といった風潮もありましたが、それは古き悪しき時代の話です。これからは、EC・店舗を問わず、購入前の段階でいかに納得、理解いただけるかを真摯に考えていかなければなりません。そのためのコミュニケーションをどうするか、レビューやQ&Aをどう活用するか、興味を持たれた方はぜひご相談ください」(山崎氏)
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