商品開発や商品詳細にも!販売員の声はデータ分析に勝るのか
森野 オンライン接客では、サイズはどう伝えていくんですか? 私は身体が大きいのですが、「○○丈はどれくらいですか?」と聞かれても「そんな丈は知りません」と思ってしまうんですよね。店舗に行くとすぐ測ってくれるからありがたいのですが。
久保田 予約制であれば、事前にお客様の情報をお聞きしておきます。「袖丈」ではわからないでしょうから、「今持っていらっしゃるいちばんお気に入りのシャツの、肩の縫い付け部分から袖先までを測っておいてください」とお伝えしますね。
森野 なるほど、事前に予約して情報を伝えておけば、それなりの対応をしてもらえるということですね。
久保田 Zoom接客の場合、初見のお客様ということはまずないでしょう。それなりにブランドへの意識が高いということでもあると思います。複数の販売員の顔写真を並べて、選べるようにしているところもありますよね。自分に似た雰囲気の販売員は、好みが合いやすいですし。
平山 美容師さんのイメージでしょうね。「ショートカットが得意」とか「オフィスカジュアルなら任せてください」とか。それにしても複数の販売員から選べるなんて、人員を確保できてすごい。大手でないとそこまでは難しいかもしれません。
森野 買う側の情報開示も大事だということですね。販売員さんの知恵をECでうまく使うにはどうしたらいいですか?
平山 販売員が持ついちばん重要な情報は、自分のアクションに対してお客様がどう返してきたかの蓄積を持っていることです。たとえば、商品提案の際に反応が良かった言葉の共有は良いかもしれません。その表現にハッとするお客様が10人いれば、それだけ買っていただける可能性が高まるでしょう。
久保田 商品詳細ページの表現は重要ですよね。「○○風」よりも、洗えるかどうか、透けないかが知りたい。
森野 商品詳細のライティングを担当してもらうということですか? ECの人は、商品についての知識がないため、書けなくて悩んでいるので良さそうですね。
久保田 文章を書くのが苦手な販売員が多いので、ヒアリングしてEC部門の人が書いてあげたほうがいいかもしれません。商品の販売が始まりお客様からの反応のデータが貯まるまでは、しばらく時間がかかるでしょう。販売当初はMDから来た情報を載せ、徐々に販売員からの声を追加していくというやりかたが良いと思います。販売員も、MDから来た情報あっての自分の意見ですからね。イチから書けというのは難しい。「これが売れてるのって、どうして?」と聞いて、その声を反映していく。
森野 アップデートしていくわけですね。お客様の声を、無理やりレビューで集めなくてもいいと。
久保田 販売員さんが聞いたお客様の声で良いと思います。
森野 そうやってがんばった商品があっという間に在庫切れになると、それはそれでつらいのですが。
久保田 来期に「昨年、こういう理由でとても人気だった商品を今年も作りました」と表現すれば、お客様にも買いたいと思っていただきやすいでしょう。イチから企画つくらずとも売れ筋が作れて、効率的ですよね。
平山 ある1店舗だけで売れている商品があって、理由を探るとアイテムを組み合わせた見せかたがうまく、他の店舗でも同じ組み合わせをすると売れる場合があります。販売員から出てきた意外な着こなし、とか良いかもしれませんね。
森野 購買データよりも、販売員の声を集めたほうが売れるかもしれません。
平山 販売員に直に聞くと、1ヵ月前に1個だけ売れたものを「売れてます」という答えが返ってくることもあるので、並行してデータも見たほうがいいと思いますよ。