売上100万円突破もACoS上昇に悩む Perpetua導入でACoS35%に
株式会社大和屋は、群馬県高崎市に本部を置き、「大和屋」店舗のグループ展開と、木炭焙煎の珈琲豆、陶磁器、食品の卸、小売販売を行っている。今回インタビューに協力してくれた大坂直充さんは、石川県で「木炭焙煎 大和屋 加賀店」を営む。加賀店独自の活動として、楽天市場やYahoo!ショッピングなどで10年以上のEC販売歴を持つ。2019年10月の台風で観光客が減少したことを受け、さらなる販路を開拓しようと12月からAmazonでの販売を開始した。
Amazonではじめて商品が売れたのが1月3日。売上は1月が5万3,000円、2月が17万6,000円、3月が35万2,000円、4月が103万8,000円、5月は21日現在ですでに111万円を突破するなど、順調に売上を伸ばしている。Amazon広告は1月から出稿、当初は自ら運用を行った。
「ACoSが100%を超えていたのに加え、広告運用の負荷自体も大きく、2月の時点で自分で運用していくのは難しいと感じました」
そこで大坂さんは、スキルマーケットで見つけた委託先にAmazon広告の運用を依頼する。その結果、売上は上がったものの、期待していた金額までは達しなかった。大坂さん自身が数字を見てこまめにチューニングを行うのと比較すると、どうしても頻度や精度が下がっていると感じた。2ヵ月ほど運用を委託しつつも解決策を求めて検索、「Amazon ACoS」でPerpetuaにたどり着いた。4月20日からPerpetuaでの運用を開始。運用の外部委託はPerpetuaの利用に伴い、終了した。
「ACoSが129%に達し、Amazonでの販売を継続するかの瀬戸際に立っていたんです。売上が伸びていたとは言え、商品の原価を支払い、送料を支払い、そのうえで広告費も支払っていると考えると、背筋が凍る思いでした。ツール利用料も月額広告費に応じた料金体系で自分のペースで始められることから、Perpetuaを試してみることに迷いはありませんでした」
大坂さんが自らAmazon広告を運用するうえでもっとも負荷が重いと感じていたのが、日々のキーワードと入札単価の設定だ。前日に検索されたキーワードをチェックし、それをもとに翌日のキーワードを入札単価を踏まえて決めなくてはならない。それが正しいか否かは、後日売上を見て自分で判断するしかないのだ。広告運用のみに注力できるわけではなく、実店舗も運営し、ECで注文が入れば出荷作業等もあるため、ギリギリの状態だったと言う。
「Perpetuaの読みかたもわからず(笑)半信半疑なところもあったのですが、流行りのAIを謳っていることもあり、好奇心が湧きました。とりあえずやってみようとキーワードを10個ほど入れて運用を開始したところ、翌朝にはキーワード候補が100個近く挙がっていました。それまでの苦労はなんだったんだろうと驚きましたし、Perpetuaの利用を開始してから10日ほどで過去最高の売上を達成してしまったんです。すごすぎる!というのが正直な気持ちです」
大坂さんは、Perpetua利用以前の4月1日〜20日と利用後の4月21日〜5月10日を比較。さらにコンバージョン率(Amazon広告クリックから実際の購入に至る率)も、20.55%から21.94%に上昇、取材日の直近1週間では30%に迫っていると言う。「AIがお客様のところに行商に行き、売って歩いてくれているというイメージです」(大坂さん)
売上 | 広告費 | ACoS | |
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2020/04/01〜04/20 | 36万3,000円 | 23万1,000円 | 63.6% |
2020/04/21〜05/10 | 78万3,000円 | 27万6,000円 | 35.2% |
このような成果から、大坂さんはAmazon広告の運用に関してはPerpetuaを全面的に信頼。寝る前にスマホのPerpetuaのアプリでACoSをチェックしたり、売上が落ちてきたと感じたら設定を少し変える程度の作業しか行っていない。広告のためにセラーセントラルを見に行くことはなくなったそうだ。強いて言えば、直感的に使える管理画面のUIではあるものの、英語表記も多いため日本語表記が増えることを期待、ちょっとした疑問を相談できるチャット機能やFAQがあったらいいという要望があるくらいで、提供するシンクリンクには「感謝しかない」と言う。
「広告運用にかけていた時間を、出荷業務にあて、配送クオリティの向上に取り組んでいます。すでにPrimeになっていますが、現在の販売個数では自社出荷の限界に近づいているため、FBAの導入も検討しています。将来的には、珈琲は楽しんでいただくための嗜好品ですから、実店舗で九谷焼を取り扱っていることもあり、珈琲とカップをセットにしたギフト用品なども作っていきたいと準備しています。お客様に提案することで、一層独自性を発揮し、Amazonの中で新たなジャンルを切り拓いていきたいと考えています」