フライホイール実現のため、広告運用をAIに任せる選択肢も
Perpetuaの料金体系には5つのプランがある。もっとも安価なプランAは、月額広告費が10万円以下の広告主向け月5,500円、もっとも高額なプランEは月額広告費100万円以上の広告主向けで広告費の6.5%というもの。プランAの利用企業が全体の7割を占めており、大坂さんほどのリテラシーがなくともPerpetuaの利用を続けていると言う。
「現状、Perpetuaのご利用継続度は90%を超えています。すべてのお客様にご満足いただけなかったのは私たちの課題ですが、離脱された理由としては、商材単価が数百円など非常に安価でどれほどACoSを改善してもツール利用料金をペイできなかった、Amazonそのものとの相性が良くないと判断され楽天市場などほかのモールに力を入れることにしたといったように、Perpetuaそのものに対するご不満は挙がっていません。
しかしながら、継続していただいているお客様についても、広告運用をはじめAmazonでの販売に関するお悩みは尽きません。たとえば、広告が表示されてもクリックされない、在庫切れでベストセラーランキングから外れてしまったといったものです。Amazonは、商品、販売者、トラフィック、顧客体験のそれぞれを充実させることで、循環が生まれ、さらなる発展を遂げていく『フライホイール』を提唱していますが、それは出品者も取り組むべきことです。広告運用のみならず、商品を充実させ、在庫管理を行い、ランディングページを魅力的なものにし、迅速な発送を行い、生まれた利益を広告に投資してさらに多くのお客様に知っていただく。
ただし、一度にすべてを充実させることは難しいですよね。フェーズを分け、自分たちが取り組みやすいところを優先し、段階的に充実させていくことが重要だと考えています。その際に、広告運用をPerpetuaに任せることによって、成果を上げながら効率化し、浮いたリソースでほかの部分を改善していくというのもひとつの選択肢でしょう」(的場さん)
長くAmazonを見ているEC事業者にとっては、Amazon広告の登場は最近のこと。しかしながらもはや、Amazon広告なしに売上を伸ばしていくことは難しくなってしまった。Amazon広告はじめの一歩のノウハウを聞いた。
「ベストセラーランキングに与える影響度合いから、まずはスポンサープロダクトを検索結果の上部に表示し、次に商品詳細ページに表示する。そして、1ヵ月間の表示結果をもとにチューニングしていくという流れをオススメします。当社のお客様のうち、95%がスポンサープロダクトの運用をPerpetuaのAIに任せていらっしゃいますが、人が手を加えることも可能ですしそのほうがより良くなる場合もあります。そこがAmazon オートターゲティングと異なる点です」(マキョウさん)
シンクリンクのマーケティングソリューション事業の中でも、Perpetua事業がもっとも好調とのこと。Amazon販売サポートへのニーズの高さがうかがえる。今後は、Amazon運用代行のプロフェッショナルであるamaconとの提携など、事業者のフライホイール実現への支援体制を整えていくそうだ。
「コロナ禍により、新たにECで購入を始めた人たちもいれば、これまでは実店舗で購入していたものをECで購入するようになったという人たちもいるでしょう。販売する側も同様です。日本のEC化率はまだまだ伸びしろがあり、今後いっそうデジタル化が進んでいくと予想されるなか、本当の意味での顧客体験が問われていくと考えます。また、海外での販売も視野に入れる事業者も増えていくと考えます。
こうした状況を踏まえると、Amazonはますます重要なチャネルになるでしょう。シンクリンクでは、国内のAmazon販売におけるフライホイール実現はもちろん、海外販売のご支援も行えるようアメリカのEコマース向けコンサルティング企業 Buy Box Expertsと業務提携を行いました。ご支援する体制を整えていきますので、ぜひAmazonでの販売をご検討いただければと思います」