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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

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ACoS129%が36%に!月5,500円から使えるAmazon広告最適化AI・Perpetuaとは

 巣ごもり消費で急上昇するEC化率。ますます激戦区となったAmazonで戦うには、Amazon広告の運用が欠かせない。多忙なEC事業者はツールに頼ってみてはどうだろう。この記事では、Amazon広告最適化AIツール「Perpetua(パーペチュア)」を紹介する。一時期129%まで上がったACoSを、Perpetuaの利用で36%に改善した「木炭焙煎 大和屋 加賀店」にも登場してもらい、話を聞いた。

伸びるEC化率 激戦Amazon広告の運用をAIに任せる選択も

 コロナ禍による巣ごもり消費で、急上昇したEC化率。ECでモノを買う人が増えたのはもちろん、実店舗休業を余儀なくされ、EC販売に挑戦する事業者も増えている。ECの王者Amazonでは、4月に国内の物流倉庫で入荷制限を設け日用品の提供を優先したとの報道もあり、利用・販売の急増は推して知るべしだろう。

 ビフォアコロナから激戦区だったAmazonにおいて、ここ最近注目を浴びていたマーケティング手法が、Amazon内での運用型広告「Amazon広告」だ。Amazon.comの2020年1~3月期の決算発表によれば、広告を含む「その他」の売上は39億600万ドル、44%増にも上る。日本国内においては、広告代理店でのAmazon広告運用が増加し、ノウハウ書籍も相次いで出版された。いちユーザーとしても「スポンサープロダクト」の文字を見る機会が増えたはず。Amazonでの販売において「広告なしには売れない」との声も聞こえてくる。

 一方で、商品登録〜出荷までタスクの多いEC事業者にとって、進化し続けるネット広告の情報をキャッチアップし、運用し、成果を出し続けることは負荷が重い。委託すればその分の費用がかかり、薄利な小売ビジネスでは利益を圧迫してしまうこともある。運用を自動化する「Amazonオートターゲティング」の仕組みもあるが、成果を優先すれば自らこまめにチューニングしたいのが本音だろう。

 そんなEC事業者の要望に応えるのが、シンクリンクが提供するAmazon広告最適化AIツール「Perpetua(パーペチュア)」だ。広告予算と目標ACoS(Advertising Cost of Sale:売上高に占める広告費の割合)を設定するだけで、あとはAIが運用を担い、ACoSを最適化してくれるというもの。月額広告費によってツールの利用料金が変動する仕組みで、もっとも安価なプランは月5,500円(税抜)とハードルが低い。

 サンフランシスコ発のPerpetuaを日本で提供する、シンクリンク代表取締役 CEO 的場啓年さん、アカウントエグゼクティブ マキョウ・オーンさん、そして実際にPerpetuaを利用する 木炭焙煎 大和屋 加賀店の大坂直充さんに話を聞いた。

月5,500円から AIでAmazon広告運用を最適化する「Perpetua」

シンクリンク株式会社 代表取締役 CEO 的場啓年さん(写真:左)、
アカウントエグゼクティブ マキョウ・オーンさん(写真:右)

 輸入アパレルのEC販売や、大手代理店でデジタルマーケティングなどの経験を持つ的場さんは、2018年にシンクリンクを起業。ECの入口から出口までを一気通貫で支援することをミッションに、データフィード連携SEM「Salesoar」、Amazon広告最適化AIツール「Perpetua」を提供するほか、日本の事業者の米Amazon.com進出支援事業を開始、これら3つをマーケティングテクノロジー事業の根幹としている。

 ここ数年で一大市場となったAmazon広告。すでに運用支援ツールも複数出回る中、シンクリンクがPerpetuaの提供を始めた経緯を的場さんはこう語る。

 「Amazon広告の運用について多数のご相談をいただいていたことから、中小のEC事業者様の負荷を軽くするためのツールが必要だと感じていました。2019年6月にアメリカのリテールテック展示会に参加し、Perpetuaに出会ったのです。ほかにもいくつかツールはあったのですが、どれもオーバースペックだと判断しました。広告運用のプロ向けのものが多く、いろいろなことができるからこそ複雑だったんですね。Perpetuaこそが日本のEC事業者様の必要要素を網羅したツールでした」

 Perpetuaは、広告予算と目標ACoSを入力するだけでAmazon広告の運用が始められるシンプルなツールだ。運用が始まると、AIからキーワードが提案され、最適化されていく(任意での登録も可能)。ツール利用料金は月額広告費によって変動。月額広告費が10万円以下であれば月5,500円から利用できるのがもっとも安価なプランだ。そしてシンクリンクは、Perpetuaを導入することだけで広告費に対するコストを上乗せするつもりもない。

 「当社の利益は、ツールを提供するPerpetuaから出ています。当社のお客様からは、ツール利用料以外の費用はいただいておりません」(的場さん)

 2019年11月提供開始とまだ1年も経っていないが、すでにさまざまな商材で売上増、ACoS減、Amazonベストセラーランキングでの上昇と成果が出ていると言う。今回は、2020年4月からPerpetuaを利用している木炭焙煎 大和屋 加賀店の大坂直充さんに話を聞くことができた。

売上100万円突破もACoS上昇に悩む Perpetua導入でACoS35%に

 株式会社大和屋は、群馬県高崎市に本部を置き、「大和屋」店舗のグループ展開と、木炭焙煎の珈琲豆、陶磁器、食品の卸、小売販売を行っている。今回インタビューに協力してくれた大坂直充さんは、石川県で「木炭焙煎 大和屋 加賀店」を営む。加賀店独自の活動として、楽天市場やYahoo!ショッピングなどで10年以上のEC販売歴を持つ。2019年10月の台風で観光客が減少したことを受け、さらなる販路を開拓しようと12月からAmazonでの販売を開始した。

木炭焙煎 大和屋 加賀店 大坂直充さん

 Amazonではじめて商品が売れたのが1月3日。売上は1月が5万3,000円、2月が17万6,000円、3月が35万2,000円、4月が103万8,000円、5月は21日現在ですでに111万円を突破するなど、順調に売上を伸ばしている。Amazon広告は1月から出稿、当初は自ら運用を行った。

 「ACoSが100%を超えていたのに加え、広告運用の負荷自体も大きく、2月の時点で自分で運用していくのは難しいと感じました」

 そこで大坂さんは、スキルマーケットで見つけた委託先にAmazon広告の運用を依頼する。その結果、売上は上がったものの、期待していた金額までは達しなかった。大坂さん自身が数字を見てこまめにチューニングを行うのと比較すると、どうしても頻度や精度が下がっていると感じた。2ヵ月ほど運用を委託しつつも解決策を求めて検索、「Amazon ACoS」でPerpetuaにたどり着いた。4月20日からPerpetuaでの運用を開始。運用の外部委託はPerpetuaの利用に伴い、終了した。

 「ACoSが129%に達し、Amazonでの販売を継続するかの瀬戸際に立っていたんです。売上が伸びていたとは言え、商品の原価を支払い、送料を支払い、そのうえで広告費も支払っていると考えると、背筋が凍る思いでした。ツール利用料も月額広告費に応じた料金体系で自分のペースで始められることから、Perpetuaを試してみることに迷いはありませんでした」

 大坂さんが自らAmazon広告を運用するうえでもっとも負荷が重いと感じていたのが、日々のキーワードと入札単価の設定だ。前日に検索されたキーワードをチェックし、それをもとに翌日のキーワードを入札単価を踏まえて決めなくてはならない。それが正しいか否かは、後日売上を見て自分で判断するしかないのだ。広告運用のみに注力できるわけではなく、実店舗も運営し、ECで注文が入れば出荷作業等もあるため、ギリギリの状態だったと言う。

 「Perpetuaの読みかたもわからず(笑)半信半疑なところもあったのですが、流行りのAIを謳っていることもあり、好奇心が湧きました。とりあえずやってみようとキーワードを10個ほど入れて運用を開始したところ、翌朝にはキーワード候補が100個近く挙がっていました。それまでの苦労はなんだったんだろうと驚きましたし、Perpetuaの利用を開始してから10日ほどで過去最高の売上を達成してしまったんです。すごすぎる!というのが正直な気持ちです」

 大坂さんは、Perpetua利用以前の4月1日〜20日と利用後の4月21日〜5月10日を比較。さらにコンバージョン率(Amazon広告クリックから実際の購入に至る率)も、20.55%から21.94%に上昇、取材日の直近1週間では30%に迫っていると言う。「AIがお客様のところに行商に行き、売って歩いてくれているというイメージです」(大坂さん)

  売上 広告費 ACoS
2020/04/01〜04/20 36万3,000円 23万1,000円 63.6%
2020/04/21〜05/10 78万3,000円 27万6,000円 35.2%

 このような成果から、大坂さんはAmazon広告の運用に関してはPerpetuaを全面的に信頼。寝る前にスマホのPerpetuaのアプリでACoSをチェックしたり、売上が落ちてきたと感じたら設定を少し変える程度の作業しか行っていない。広告のためにセラーセントラルを見に行くことはなくなったそうだ。強いて言えば、直感的に使える管理画面のUIではあるものの、英語表記も多いため日本語表記が増えることを期待、ちょっとした疑問を相談できるチャット機能やFAQがあったらいいという要望があるくらいで、提供するシンクリンクには「感謝しかない」と言う。

Perpetuaの管理画面のサンプル(木炭焙煎 大和屋 加賀店のものではない)

 「広告運用にかけていた時間を、出荷業務にあて、配送クオリティの向上に取り組んでいます。すでにPrimeになっていますが、現在の販売個数では自社出荷の限界に近づいているため、FBAの導入も検討しています。将来的には、珈琲は楽しんでいただくための嗜好品ですから、実店舗で九谷焼を取り扱っていることもあり、珈琲とカップをセットにしたギフト用品なども作っていきたいと準備しています。お客様に提案することで、一層独自性を発揮し、Amazonの中で新たなジャンルを切り拓いていきたいと考えています」

フライホイール実現のため、広告運用をAIに任せる選択肢も

 Perpetuaの料金体系には5つのプランがある。もっとも安価なプランAは、月額広告費が10万円以下の広告主向け月5,500円、もっとも高額なプランEは月額広告費100万円以上の広告主向けで広告費の6.5%というもの。プランAの利用企業が全体の7割を占めており、大坂さんほどのリテラシーがなくともPerpetuaの利用を続けていると言う。

 「現状、Perpetuaのご利用継続度は90%を超えています。すべてのお客様にご満足いただけなかったのは私たちの課題ですが、離脱された理由としては、商材単価が数百円など非常に安価でどれほどACoSを改善してもツール利用料金をペイできなかった、Amazonそのものとの相性が良くないと判断され楽天市場などほかのモールに力を入れることにしたといったように、Perpetuaそのものに対するご不満は挙がっていません。

 しかしながら、継続していただいているお客様についても、広告運用をはじめAmazonでの販売に関するお悩みは尽きません。たとえば、広告が表示されてもクリックされない、在庫切れでベストセラーランキングから外れてしまったといったものです。Amazonは、商品、販売者、トラフィック、顧客体験のそれぞれを充実させることで、循環が生まれ、さらなる発展を遂げていく『フライホイール』を提唱していますが、それは出品者も取り組むべきことです。広告運用のみならず、商品を充実させ、在庫管理を行い、ランディングページを魅力的なものにし、迅速な発送を行い、生まれた利益を広告に投資してさらに多くのお客様に知っていただく。

 ただし、一度にすべてを充実させることは難しいですよね。フェーズを分け、自分たちが取り組みやすいところを優先し、段階的に充実させていくことが重要だと考えています。その際に、広告運用をPerpetuaに任せることによって、成果を上げながら効率化し、浮いたリソースでほかの部分を改善していくというのもひとつの選択肢でしょう」(的場さん)

 長くAmazonを見ているEC事業者にとっては、Amazon広告の登場は最近のこと。しかしながらもはや、Amazon広告なしに売上を伸ばしていくことは難しくなってしまった。Amazon広告はじめの一歩のノウハウを聞いた。

 「ベストセラーランキングに与える影響度合いから、まずはスポンサープロダクトを検索結果の上部に表示し、次に商品詳細ページに表示する。そして、1ヵ月間の表示結果をもとにチューニングしていくという流れをオススメします。当社のお客様のうち、95%がスポンサープロダクトの運用をPerpetuaのAIに任せていらっしゃいますが、人が手を加えることも可能ですしそのほうがより良くなる場合もあります。そこがAmazon オートターゲティングと異なる点です」(マキョウさん)

 シンクリンクのマーケティングソリューション事業の中でも、Perpetua事業がもっとも好調とのこと。Amazon販売サポートへのニーズの高さがうかがえる。今後は、Amazon運用代行のプロフェッショナルであるamaconとの提携など、事業者のフライホイール実現への支援体制を整えていくそうだ。

 「コロナ禍により、新たにECで購入を始めた人たちもいれば、これまでは実店舗で購入していたものをECで購入するようになったという人たちもいるでしょう。販売する側も同様です。日本のEC化率はまだまだ伸びしろがあり、今後いっそうデジタル化が進んでいくと予想されるなか、本当の意味での顧客体験が問われていくと考えます。また、海外での販売も視野に入れる事業者も増えていくと考えます。

 こうした状況を踏まえると、Amazonはますます重要なチャネルになるでしょう。シンクリンクでは、国内のAmazon販売におけるフライホイール実現はもちろん、海外販売のご支援も行えるようアメリカのEコマース向けコンサルティング企業 Buy Box Expertsと業務提携を行いました。ご支援する体制を整えていきますので、ぜひAmazonでの販売をご検討いただければと思います」

参考リリース

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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