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ECホットトピックス

2019年「独身の日」最新プロモーション事例を紹介 2020年の中国越境EC必勝法とは

 中国国内の消費活動が年間で一番盛り上がる日と言っても過言ではない「独身の日(W11:ダブルイレブン)」。中国越境ECへ参入を目論む企業にとって、アリババグループを中心に行われるこのセールは逃してはいけない商機とも言える。そんな独身の日の最新動向が、2019年11月27日にアライドアーキテクツ、SBクラウド、エフカフェ3社共催のセミナーにて解説された。この記事では、セミナーの模様をレポートする。

2019年は64秒で1,000億円超の売上 「独身の日」速報数値が発表

 「中国EC最大手アリババ「独身の日」最新データ&トレンド事例から学ぶ 越境EC必勝法と今からやるべき2020年W11売上アップ術」と銘打って開催された今回のセミナー。まずは、SBクラウドでAlibaba Cloud ソリューションアーキテクトを務める寺尾英作氏より、2019年の独身の日に関する最速レポートとテクノロジーに関する特徴が紹介された。

SBクラウド株式会社 Alibaba Cloud ソリューションアーキテクト 寺尾英作氏

 偶然、独身の日のセールが開催される前日まで深センにいたという寺尾氏。街中をセール広告が埋め尽くす様子をレポートしながら、今年の動向を解説した。

独身の日前日の深センの駅構内の様子。セールをアピールする各社の広告が張り巡らされていたと言う

 2019年、独身の日当日の取扱高は、2,684億元を記録。これは日本円に換算するとおよそ4.16兆円に上る。「昨年比で26%の成長を遂げることができました」と、寺尾氏は発表した。20万以上のブランドがセールに参加し、64秒で約1,000億円の売上を記録。セール開始から90分以内で2016年、午前中には2017年、夕方には2018年の売上を超え、過去最高の売上高となっている。

 独身の日当日、売上10億元(155億円)を達成したブランドは15ブランド、1億元(15.5億円)を記録したブランドは299にも及ぶ。1日で10億元を記録した海外ブランドのなかには、ユニクロも名を連ねている。

 外国店舗の売上第1位は去年に引き続き日本となっている。「美容、ヘルスケア、食品などのジャンルが人気を集めており、美顔器を販売するヤーマンや、花王、ユニ・チャームなどの売上が好調だった」と寺尾氏は解説した。

進む中国国外への販売 AI・人工知能はCSから物流まで幅広く活用

 アリババグループは現在、「中国国外に向けた販売」と「AI・人工知能の活用」の強化を行っている。前者については、Alipay(支付宝)が220の国と地域に対応し、27の通貨をサポート。2019年9月に発表されたAlibabaのグループ会社が開発する「Hanguang 800(含光800)」によって機械学習タスクを向上させ、海外向けECプラットフォーム「AliExpress」では21ヵ国語以上の言語表示、100以上の国と地域での販売対応を実現している。独身の日の翻訳処理件数は、2,000億ワードに上ったと言う。

 後者については、「カスタマーサポートの自動化と物流の効率化が今年はより進んだ」と語った寺尾氏。AIカスタマーサポート「アリシャオミ(阿里小蜜)」の利用率は97%に達し、当日のサポート件数は3億件にも及ぶ。

 ここ数年、中国ではライブ配信が盛り上がっている。今年の独身の日は、出店ブランドの50%がライブ配信を行い、売上1億元(15.5億円)を記録した配信は10件以上、1,000万元(1.55億円)を売った配信は100件以上となったが、ここにもAIの技術を用いた「ライブシャオミ(直播小蜜)」というサービスが提供された。ライブ配信中によく聞かれる商品のスペックや購入先のURL、割引券やクーポンの有無についてはAIが自動回答し、配信者はライブ配信に集中する。この取り組みで、コンバージョン率が15%アップしたとのことだ。

 物流分野では、「菜鳥網絡(cainiao)」のビッグデータ活用によりクロスボーダー倉庫効率を20%改善。「これにより、前年比24%増となる12.9億件ものスマートロジスティクスを実現した」と寺尾氏は言う。

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

ECに関する情報を、さまざまな切り口からお届けできればと思います。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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