顧客の声を取り入れて機能強化を図った新バージョンをリリース
2019年2月、FULL KAITENのバージョン2がリリースされた。売上増加機能では、とくに「同梱の提案」を強化している。
「バージョン1は商品の組み合わせについて人間が考えなければならない部分がまだ多かったのですが、バージョン2では統計計算の結果として組み合わせの『答え』まで提示できるようになりました。予測アルゴリズムの精度も向上しています。また、店舗ごと、倉庫ごとなど、ユーザーの小売事業者の方が見たい単位で、より柔軟に分析結果を見ることができるようになりました。その点は、かなりこだわったポイントです」
これらの多くは、バージョン1のユーザーからの要望に応えたものだという。
「実務ご担当者が『分析結果をどのようにマーケティングに活かすか』というところに注力できるように、分析そのものには極力時間を使わずに済むツールを目指しました」
もちろん、在庫削減機能や仕入れ最適化機能も強化されている。売上増加機能の「売上貢献スコア」とともに、「価値変動評価」(在庫削減機能)、「変動発注点」(仕入れ最適化機能)の3つのテクノロジーについては特許出願中であり、自社で6年間EC事業に取り組みながら在庫問題を研究してきた成果としてバージョン2に盛り込まれている。
なお、FULL KAITENのユーザーはEC・実店舗どちらにも導入されており、業態も規模も幅広い。大手の小売企業や楽天市場の上位店舗など、月商で1億円から数十億円という事業者に導入されているという。この規模になると、店舗が複数あり、取り扱う商品数、SKU数も数万~数十万というケースが多いので、もはや人間の分析能力では対応不可能だ。そのような規模感で売上増加や在庫適正化に課題を抱えている事業者にとって、FULL KAITENは救世主となるかもしれない。分析専門の人材を1人配置するよりもはるかに低コストで、同等以上の成果を得られるはずだ。