「放っておいても理解してくれる人はあまりいない」を前提に
広告からCRMまで丁寧な誘導を
以上、いくつか広告・販促における表現の「型」を紹介しました。これらは、無駄なく効率的に成功へと導くためには非常に有用です。しかし、型を利用し、その恩恵を受けるにあたって、忘れてはならないポイントがふたつあります。
ひとつめは、その型が自社の商材にも当てはまるものであるか。ふたつめが、利用した結果得ようとする、製品への期待値コントロールが適切であるか。それらを理解したうえで、一度しっかり考えてみることが大事です。
前者は、「型」という以上、他の事例でも結果を出してはいるはずですが、やはり商材やオファーの性格によって相性の良し悪しはあります。成功事例とされるケースの詳細をふまえて、ベンチマークの商材と自社の商材での比較を行い、適用できそうかどうかを事業者自身が一度検討してみることをおすすめします。
後者は、広告・販促のコミュニケーションによって、顧客の興味関心、購買意欲を喚起するとしても、それはあくまでも製品力と等身大の魅力までに留めるべきである、ということです。商材の魅力をわかりやすくスピーディーに伝える方向性においてはどこまでも工夫をこらせばよいのですが、期待値レベルを高める、いわゆる「煽る」方向性は、事業者自身に利用範囲の自覚が求められます。製品力以上の魅力喚起をするために用いるものではない、ということです。
この根幹を見失って、目先の指標であるCPAやCPR、CPOのみを追い求め、活用したと思しきケースを見かけることがあります。広告により新規獲得KPIは達成されているのかもしれませんが、それでは結局、顧客の事前期待を満たせずに終わります。リピート利用が十分に生まれずに、当初想定していた事業収益化の見通しが立たないと、後になってから悩まされることになります。
さらに悪いケースになれば、離反された顧客から、ネガティブツイートを引き起こすようなことにもなりかねません。この点は、パートナーの提案をそのまま受け入れてしまう前に、事業主がしっかりと事業全体を俯瞰し、冷静かつ客観的に見極めたうえで採用の判断をするようにしましょう。(ダイエット商材などの、
詰まるところ、客観的に製品力を見極め、手に取ってもらえる人々にはその製品力を100%引き出してもらえるような誘導を設計していくことが大事である、ということです。その際、放っておいても理解してくれる人はあまりいないという前提に立って、広告からCRMまでを連携して丁寧な誘導を心がけましょう(詳細はこの後の連載で述べていきます)。やりすぎは禁物です。最適な手法と最適なレベル感を保てているか、細心の注意を払いましょう。特に「型」を活用する場合には、一層の注意が必要です。