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ECzine Day 2022 August

2022年8月30日(火)10:00~16:10

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インバウンドビジネス最前線

「PCサイトを持っていると恥ずかしい」爆速でデジタル化する中国向けインバウンドビジネスの勘所


 2017年に訪日した中国人の数は実に約730万人。日本に訪れている訪日客数の約3分の1を占める。そんな中国人をターゲットにした広告展開を得意とする、ENJOY JAPAN取締役の目代有史郎氏に越境ECから中国人向けインバウンド対策について聞いてみた。

中国への越境ECで、次にブレイクしそうなのは「ペットグッズ」

――日本のメーカーさんも中国人、台湾人をターゲットにした越境ECや訪日客に向けてさまざまなサービスを展開しています。中国・台湾向けに商品を販売する場合、おさえておきたいポイントはありますか? 

目代 まず意外と初歩的なことなんですが、同じ中国語を話すからと言って、中国市場と台湾市場、香港市場をごっちゃに考えている企業様がまだまだ多いような気がします。これはまったく違う市場ですので、分けて考えてください。

越境ECに慣れていない初心者の企業様は、台湾から狙っていくのがいいんじゃないでしょうか。感覚的には日本のマーケットに近いですし、比較的広告費用も安いので。それに比べて中国市場は、日本よりも広告費が高いですから。

中国では、Google、Facebookは使えません。検索エンジンでしたら「百度」です。Amazonも弱く、「淘宝(タオバオ)」や「京東(ジンドン)」「小紅書(RED)」などのモールを使っています。弊社は代表が中国人で、広告宣伝だけではなく、中国からの輸出入も経験しています。そのあたりのノウハウを持ちながらPR展開もできるのが強みです。

越境ECはブームになっていますが、やはりリピートされる商品でないと売上も上がってこないのではないでしょうか。一番売りやすい商品は、やはり化粧品ですかね。食品はいつ通関で止まるかわからないですし、止まり続けると腐ってしまいますから。

人から聞いた話できちんと調査はしていないのですが、次にブレイクしそうなのは、ペットグッズです。ペットフードはもちろんですが、犬用の洋服、首輪など。中国も少子高齢化になって、都市部ではペットを飼う方が増えています。中国の最大手のペット用品企業の売上が何兆円という数字で、日本のペット用品市場規模以上あるみたいです。皆さんもご存じのように、中国の人口は日本の10倍以上です。ある商品に火がつくと、たちまち生産が追い付かなくなります。10倍の人口は想像以上に巨大です。

もうひとつは、健康関連です。弊社のオフィス内には中国人向け旅行会社が入っており、中国の保険会社と提携しています。その提携先の保険会社が、中国のVIP顧客向けに日本への健診ツアーのようなものを提供しています。いわゆる、医療ツーリズムです。日本を旅行をしながら健診も受けるという感じです。健診ツアーで来た中国人のVIPが日本の高級ホテルに泊まって、ベッドや枕の寝心地がよかったら、それもすべて買っていってしまうというエピソードもありました(笑)。

株式会社ENJOY JAPAN 取締役 目代有史郎氏

――ENJOY JAPAN様は2010年創業ですが、翌年には東日本大震災がありました。さすがに中国人向け広告業は厳しくなかったですか?

目代 創業当初、中国現地の旅行会社に、無料の日本旅行ガイドを配るサービスを行っていました。創業して1年目の会社にもかかわらず、中国人をターゲットにした大手の日本企業様が広告を出してくださいました。その時はまだそういった媒体がなかったので、日本のメディアにも多数紹介されたんですね。

翌年の震災時にも、大手企業様が「未来への投資だから」と出稿を続けてくださいました。それは今でも感謝しております。ただし、金額としては減少しましたので、「今何が必要か」ということを考えて、中国からガイガーカウンターを仕入れて販売するといったことも行っていました。

2012年には反日運動があり、中国の旅行会社から「さすがに日本の観光案内は置けない」という連絡が来て、広告をストップせざるをえない状況になったこともありました。まさに不遇の時代でしたね。

それでもここまで続けてこられたのは、中国と日本がもっと理解し合い、もっと行き来してほしいという思いを持ち続けていたからです。何とか不遇の時代も乗り越え、今では大手メーカー様や流通小売、鉄道会社、行政からのお仕事もさせていただくようになりました。

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この記事の著者

浦澤 修(ウラサワ オサム)

ライター・編集/株式会社オージャパン 代表取締役 浦澤修

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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