ベトナム向け日本情報メディアに聞く 日本の魅力とは
━━まずは日本のインバウンドにおけるベトナム市場の可能性について教えてください。
望月 ベトナム市場において日本と明確に違う点は、若者が多いところです。平均年齢は約30歳(日本の平均年齢は約45歳)。ベトナム全人口(約9,888万人)の60%が33歳以下になります。経済成長も右肩上がりで、今後期待される国として日本企業も多数進出しています。海外旅行をする習慣もここ数年から始まったことです。
1回目の海外旅行は、近隣国のラオス、カンボジア、タイに行く人が多いのですが、2回目の海外旅行の行先として日本を選ぶ人が多いです。コロナ前の2019年の訪日ベトナム人の数は約50万人。伸び率が約27%で、アジアの中ではトップになります。 また国内に目を向けると在留ベトナム人数も非常に増えており、現在中国についで第2位で約45万人います。
トゥ ベトナム人は日本の四季の移り変わりが好きで、桜や雪も大好きです。日本らしい風景ですし、とても綺麗です。もちろんベトナムにも季節はあるのですが、ホーチミン辺りは、雨季と乾季に分かれているくらい。ハノイは春と秋が短く、夏が半年くらいある感じです。日本のようにはっきりと4つのシーズンを感じられることはないんです。ですから日本の四季を経験したいベトナム人も多く、今後もっと日本に旅行に来ると思います。
━━運営されているベトナム人向けウェブメディア「LocoBee」についても教えてください。
望月 弊社が運営しております「LocoBee(ロコビー)」は、 2018年にスタートしたウェブメディアで、少しずつユーザーも増えてきて、今では月間100万PVを達成しています。ユーザー数は月間70万人。ベトナム現地の方と、日本在住のベトナム人両方からご覧いただいています。
トゥ 日本の季節の観光情報はもちろん、日本で生活する上で困らないようにするための記事も作成しています。たとえば観光情報では、日本の「藤」がとっても綺麗なので、日本各地で「藤」を鑑賞できる場所を紹介する記事を作成したことがあります。最近、ベトナム人の中で一眼レフカメラで日本の風景の写真を撮ることが流行っているので、花や自然が綺麗な場所を紹介すると好評です。
日本で生活する上で困らないようにするための記事については、たとえば、「歯医者に行く時によく使う日本語」「出生届の手続きについて」「プロのように洗濯機を掃除する方法」「日本のトイレの使い方」「日本の街を歩く時の注意点」などなど。その他、日本で生活する上で困らないようにたくさんの記事が用意されています。
望月 法務省が設置する在留外国人向けの相談窓口があるのですが、なかなか在留外国人に知られていないため、そのPRに「LocoBee」を使っていただきました。在留外国人が直面している課題の解決にもつながるため、私としてもやりがいを感じています。在留ベトナム人に部屋を借りてほしいと不動産会社さんのPRのお手伝いもさせてもらいました。
トゥ 日本で外国人がお家を借りるのは本当に大変です。保証人の問題もありますし、なかなか、外国人には貸してくれない場合も多いです。
望月 お手伝いさせていただいた不動産会社さんは、外国人もウェルカムですし、外国語対応もできますから、外国人にとってはとても助かるのではないでしょうか。実際、「LocoBee」の紹介記事経由で、多いときで月に80件以上の問い合わせをいただいています。