Amazon Pay導入事業者にとっての3つのメリット
続いて井野川氏は、事業者にとってのAmazon Payの導入メリットについて説明。Amazon Payのグローバルパートナーとして認定されているソリューションプロバイダーによる実績調査や、実際にAmazon Payを導入している事業者の声を交えて紹介した。
ひとつめのメリットとして挙げたのは「新規顧客の獲得」だ。ソリューションプロバイダーの調査結果(フューチャーショップ、ecbeing、アイピーロジック調べ)では、ゲスト購入者のうちAmazon Pay利用者が40~50%。そのうち会員登録したのは60~80%で、他の決済方法利用者の登録率20~25%を大きく上回ったという。
「ほかに新規会員登録の増加率比較で、Amazon Pay未導入店舗は平均5%増だったのに対し、導入済み店舗は平均56%増という調査結果(フューチャーショップ調べ)もあります」(井野川氏)
つまり、11倍の増加率ということになる。こうした効果を生む要因としては、やはり購入時に個人情報入力の手間がないことが大きいだろう。注文確定画面に会員登録やメールマガジン購読のチェックボックスを設けておくことで、効率的に会員獲得やメルマガ購読を推進し、リピートによる売上向上につなげることも期待できる。
2つめのメリットは「コンバージョンレートの改善」だ。これについては、Amazon Payとそれ以外の決済で、購入フローに入ってから購入完了まで至る割合を比較したデータ(アイピーロジック調べ)がある。
「Amazon Pay以外の決済方法を選択した場合、購入完了まで到達したのは65%。3人に1人が、いわゆる『カゴ落ち』です。Amazon Payを使った場合は93%が購入完了しており、コンバージョンレートが1.5倍という結果になりました」(井野川氏)
実際に、導入直後からカゴ落ち率が10%低下した伊藤久右衛門(宇治茶、抹茶スイーツ販売)や、スマートフォンのコンバージョンレートが約2倍になるとともに売上も2倍になったというカジタク(家事代行サービス)など、多くの事業者がAmazon Pay導入でコンバージョンレート改善の成果を上げている。ファッション通販のSHOPLISTなどは、カートに入れたあとの購入完了率が8.7倍にまで向上したという。
3つめのメリットとして、井野川氏は「不正取引止対策」を挙げた。
「直販および出品サービス(Amazonマーケットプレイス)で膨大な取引を行っているAmazonでは、その分、不正取引を防ぐためのノウハウや情報、技術も豊富に有しています。決済にAmazon Payを利用することで、Amazonと同レベルの強力な不正検知・防止の仕組みを使ってリスクを抑えることが可能になります」
一般の事業者が自社で不正取引対策に取り組む場合、特に中小規模のサイトではコストや人的リソースが大きな負担となってしまう。Amazon Pay導入によってその負担を解消しながら、より高いレベルの不正取引対策を実現できるというわけだ。その分、空いたリソースを売上に直結する商品開発やサイトの改善など業務に割り当てることも可能になる。