1.顧客:Customer分析
まずは顧客です。顧客と銘打っていますが、商品を購入するお客さんを取り巻く市場環境についてもリサーチしていきます。
顧客数
その商品を購入する可能性のあるお客さんの数です。総務省統計局や、RESASが便利です。特定の地域・性別・年齢のユーザーがメインになる場合は特に、しっかり天井となる全体数を把握しておきましょう。RESAS(リーサス)は、進学・就職における人の流出入など、簡単操作でさまざまな地域の特性・傾向が見えて面白いです。お手すきの際にぜひ。
総務省統計局

RESAS

市場規模
「業種名 市場規模」でググれば、ある程度の情報は手に入ります。他業種と絡めた、世の中における相対的な規模も把握したい場合、市場規模マップがお勧め。各業種ごとの市場規模を横断的に把握することができ、ライバルとなり得る市場や、ペルソナの被る市場規模も把握しておくと、プロモーションの引き出しがグッと広がります。

トレンド
市場規模トレンドで、指定した業界の売上推移が確認できます。

現在、その業界がプロダクトライフサイクル(市場の発展段階)のどこに位置するのか、アタリをつけるのにも重宝します。市場の成熟度を認識することで、エッジの効いた広告メッセージを打つこともできるでしょう。

第1回目でもお伝えした例ですが、2017年現在、ノートPCをネットで販売するのであれば、訴求点は「メモリ、CPU、ハードディスクの容量、画面のサイズ、軽さ、バッテリーの持ち」など、いわゆる規格訴求に加え、「デザイン、キーボードの使いやすさ、活用シーン、もたらされる生活の変化」など、さまざまなライフスタイルに合わせた訴求が必要になり、それは多岐に渡るでしょう。
しかしながら今から遡ること20年以上、1995年などであれば、「USBポートがなんと2つ!!!」というだけで発狂して飛びかかってくる人がいたことがあります。20代の方には信じられないかもしれませんが^^ 正しい訴求は、時代や人、プロダクトライフサイクル等によって大きく変わることを忘れてはいけません。
季節トレンド
こちらはGoogleトレンドの出番。任意のキーワードで、おおよその人気度を確認できます。商品に直結するいくつかのメインワードで過去数年間の検索傾向を見ると、だいたいどの月が繁忙期になるか、どんなイベントが起こると需要が高まるのかの傾向が見えてくるので、必ず把握しておきましょう。

検索数
こちらはGoogleやYahoo!で検索した際に表示される検索連動型広告の市場規模、と言えます。キーワードウォッチャーやGoogle アドワーズキーワードプランナーにメインとなりそうなキーワードを入れ、想定クリック数×想定コンバージョン率で、だいたいの月間コンバージョン数を予測するのは多くの方が行っている工程でしょう。初めてリスティング広告を出稿する際のシミュレーションや暫定予算の目安にも。

関連本を読む
その商材についての雑誌特集や業界誌、もしくはターゲットと同じペルソナが読んでいると思われる雑誌を読むことも、後のキーワードや配信ペルソナを考える際、ボキャブラリーの拡張に大きく貢献します。ネットよりも情報が濃くまとまっており、信ぴょう性も高いことが多い反面、かなり昔のバックナンバーだと情報が古い場合もあるので、速報性の高いネットとうまく使い分けましょう。
コールセンター、カスタマーサポートの人と話す
お客さんが何に腹を立て、何に喜びを感じているのか、通販ではなかなか見えづらいのも事実です。現場で生の声を聴くことで、NGな表現の把握や、リアルなペルソナに触れたり、サイト内のUI改善のヒントが手に入ったり、宝の山です。
口コミサイトや掲示板を見る
こちらも有効活用しましょう。価格.comや@コスメ、Twitterなどで探してみると、公式ページには書いてなかった、ハッとするようなリアルな気づきが得られることは多々あります。
価格.com

@コスメ

詳しい人に聞く
運良くその業界に精通している人と知り合いなら、中の人に聞くのがある意味最強です。イチ個人の意見だとバイアスがかかっている場合もあるので、2~3人から話を聞けると、さらに知見に厚みが増します。商品の開発者などもいいですね。
調査機関の活用
矢野経済研究所やNRIオピニオンなどに、無料で閲覧できるさまざまなマーケティング調査データがそろっています。ありがたく利用させていただきましょう。
矢野経済研究所

NRIオピニオン

4マス広告の露出をチェック
4マス(TV、新聞、雑誌、ラジオ)や交通広告、看板広告など、ネット以外のリアル露出をチェックすることで、引き出しが増えます。普段何気なく生活していると気がつきにくいかもしれませんが、意識して街を歩くだけでも、意外なほど多くの情報が飛び込んでくるものです。