受取口はなんと1Fの裏! 現地の「コレクションポイント」を探す
訪れたのはロンドンの中心部にある、ジョン・ルイス・オックスフォードストリート店。近隣にはハロッズなど有名店が点在する繁華街だ。ちょうど同じ頃に創業した百貨店・ハウス・オブ・フレイザーと肩を並べて建っている。訪れたのは金曜の午後1時、地元客や観光客を含め、どんどんジョン・ルイスに吸い込まれていく。どのフロアにも買い物客がいる。
店内のクリック&コレクト(ネット注文⇒店受取)カウンターを探して、最上階のカスタマーサービスカウンターへ。ところがここではなく「オンラインショッピング? あぁ、1階よ!」と案内され、1階に戻ると、1階の裏口近くのとても便利な所にカスタマーコレクションと明記されたカウンターがあった。
平日午後1時という時間にも関わらず、そのカウンターそばで10分近く見ている間に、およそ10組の顧客がカウンターで商品を受け取っていった。裏口近くなので、外に車を停めて受け取った大きな荷物を積み込む人もいれば、そのまま売り場へ戻っていく人もいる。カウンター後ろの扉の奥には、スチールラックが並んだストックスペースがあり、2~3人の店員が出たり入ったりを繰り返しながら顧客の応対をしていた。
徹底した商品管理! 「受け取り文化の差」を実感
正直、びっくりした。こんな百貨店見たことない。ウェブサイトを見ると、ちゃんと商品が単品管理されていて、店頭で販売されている商品が閲覧・注文出来る。在庫の有無や、配送方法の選択肢(宅配、店受取、海外発送等)も明記されている。日本の百貨店は、取引先から預かった商品で自社在庫ではない、という仕入れ方式が多いので単品管理が難しく、季節商品と中元・歳暮商品がネット注文商品の大半となってしまうが、欧米の百貨店は単品管理はできているから、きちんとネット販売ができる。顧客が百貨店に期待する商品・サービスが店舗でもネットでも利用出来るのだ。当たり前だが、このための仕組み作りや評価作りは大変だったと思う。アメリカのメーシーズのように苦戦していないのは、私の推測だが、ネット注文⇒店受取となった時の店の評価が明確なのではないかと思う。だから協力して推進する事ができているのではないか。
コレクションポイント(ネット注文⇒店受取拠点)は、グループのジョン・ルイスやウェイトローズの店舗に限らず、注文時の選択画面にはコンビニや食料品店、ニューススタンドなども出てくる。
このコレクト+サービスでは3.5ポンド(約510円)の手数料を払えば全英各地で5,500以上の地域のお店から選んで受け取る事ができる。家具などの大型商品は宅配のみとなっているが、その選択肢は商品ごとの詳細画面で確認する事ができる。ジョン・ルイスは良いものを安くという考えで顧客に提供し続けているが、そのブランドは英国内で広く認識されており、現地在住の日本人に聞くと、日本でいう三越伊勢丹と同じ位のブランドイメージだそうだ。