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日本のオムニチャネルはどうなる?逸見さん、ロンドン視察レポート

店舗では60秒でピックアップ可能!英アルゴスが進める「デジタルストア」と「ファストトラックサービス」

 元キタムラの逸見さんによる、ロンドンオムニチャネル視察レポートをお届けします。第3回は、アルゴスについてです。カタログ通販から始まり、現在は店舗のデジタルストア化を進めている同社の事例を紹介。アルゴスがセインズベリーズに買収された点を踏まえ、ネット企業と店舗主体企業の今後の関係性も考察します。

カタログ通販からデジタルコマースの最先端へ

 前回に引き続き、ロンドンオムニチャネル視察のレポートをお届けする。今回の視察における注目企業の一つが、カタログ通販企業であるアルゴスだった。私が初めてその社名を聞いたのは、2007年のイオン在職時。当時はイオンネットスーパーの立ち上げを行っており、その先進事例として岡田社長から学ぶように言われたのが、アルゴスであった。

 「お客さまは、自宅でアルゴスのカタログを見て電話で注文するか、もしくは店頭でカタログを見て注文書を書き、カウンターに出す。その後しばらく待つと商品が出てくるビジネス」

 当時の調査担当者の解説はこんな感じだったと思うが、私自身いまひとつピンとこなかった。それでも、何十年も続いていて数千億円の売り上げを持つこの企業がずっと気になっており、ようやく今回、実店舗とWebサイトをしっかりと見ることができた。

アルゴスの店舗

アルゴスの概要――「デジタルストア化」を推進

 まず、企業プロフィールを整理する。イギリスで1974年に創業したアルゴスは、DIYチェーンのホームベースとともにホーム・リテール・グループ配下であったが、2016年4月、同グループがイギリス小売2位のセインズベリーズに買収された。その際、ホームべース事業はオーストラリアのウェスファーマーズに売却され、アルゴス事業のみがセインズベリーズ配下となった。

 2016年のアニュアルレポート(※1)から、いくつかの数字や施策を見てみる。売上高は4,095百万ポンド(1ポンド156円換算で、約6,388億2,000万円)。2012年から3,873、3931、4051、4,096百万ポンドと微増で来たものの、2016年は前年から横ばいとなっている。既存店ベースでは2.6%減少したが、その分を新店で補っての横ばいとなっている。

  売上に占めるネット比率(モバイル含む)は49%で、前年の46%から増加。そのうち、モバイル販売(モバイルサイトやアプリ経由注文)は販売全体の25%から28%に増加した。営業利益は前年比36%減、46百万ポンド(約71億7,600万円)減の83百万ポンド(約129億4,800万円)。取り扱い商品数は非食品を中心に約6万点で、年間利用顧客は1億2,000万人、Web訪問者数は9億7,500万だった。

 店舗数は2016年に90店増えて、845店。アルゴスではデジタルストア化を進めており、既存店の改装、ストア内出店、小型店の3つの形態がある。既に全体のうち177店がデジタルストア化しており、そのうち81店はDIYショップのホームベース店内に、13店はセインズベリーズ店内にある。

※1 『Home Retail Group Annual Report and Financial Statements 2016』 参照

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この記事の著者

オムニチャネルコンサルタント 逸見光次郎(ヘンミコウジロウ)

1970年東京生まれ。1994年三省堂書店入社。1999年ソフトバンク入社。イー・ショッピング・ブックス社(現 セブンネットショッピング社)立ち上げに参画。2006年アマゾンジャパン入社。ブックスマーチャンダイザー。2007年イオン入社。ネットスーパー事業の立ち上げと、イオングループのネット戦略構築...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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