車好きは世界共通か 日本の売れ筋が海外でも売れ筋に
売れ筋は、車高を調整するサスペンション。購入者のほとんどが個人とあって、海外の車好きが、日本の高性能なパーツを求めてサイトを訪れていることがわかる。
「サスペンションは、数万円するものもある高額商品なのですが、日本でも売れ筋商品です。ならば、海外でもこれから始めてみようと考えたわけです。ほかにもいくつか出品してみて、高い商品も売れるのだということがわかりました。国内では価格競争が激しいので、うれしい発見です」
一方で、車のパーツの海外販売ならではの苦労もある。
「サスペンションのことを、コイルオーバーと呼ぶ国もあったりして、日本と海外では同じ商品でも呼び名が違ったりするのですね。車の名前や、発売の年式も違うので、混乱することもあります。商品情報を翻訳するのもひと苦労ですが、そのあたりのチェックも欠かせません」
KTSでは、翻訳を社内で行っている。車種に関する辞書を独自に作成しているが、先述のような事情で、スピードアップはなかなか難しく、これからも効率化に励んでいくとのことだ。
日本スピードが海外のユーザーには「ファンタスティック!」
購入者と出品者間で評価しあう「フィードバック」は、eBayで販売する事業者にとって重要な指標だ。2015年4月から本格的に取り組んでいるKTSでは、まだ集めている最中ではあるが、「早くて素晴らしい」というコメントが多く寄せられていると言う。
「料金が支払われてから商品を発送するまでの『ハンドリングタイム』を3日にしていて、これは日本と同様のスピードで取り組んでいます。『日本から発送されているのに、こんなに早く届くなんて、ファンタスティック!』とすごく喜んでくださるので、うれしいですね。メールの返信も、日本では当たり前のスピードで返しているのですが、早いとお感じになるようです。
海外販売というと、カスタマーサポートが不安だと思われる方も多いと思いますが、このように日本では当たり前のサービスに喜んでくださる方が多いと感じています」(笠原さん)
「eBayさんでは、評価が下がると販売に関して制限がかかってしまうので、規則は守るなど、当たり前のことをきちんとやったほうがいいと思います。ただし、我々のように英語ができない人間が運営していても、評価は下がらないので、そこに関しては心配は不要でしょう。もちろん、英語は必要になってくるのですが、お問い合わせへの返信だけ外部に委託するといったこともできますから」(中川さん)
こうしたサービスのほか、一度購入したユーザーにリピーターになってもらおうと、KTSではチラシ入りのポケットティッシュを同梱するなどの気配りも行っている。