小売だからこそ“クリエイティブ”に力を入れる その理由は?
──SOYの顔ぶれが変わったように、楽天市場をはじめECモールには多くの店舗が出店しています。その中で選ばれるために、独自の工夫があるのではないでしょうか。
嶋村(PREMOA) いかにお客様の声を拾い上げて、改善に結びつけられるかにフォーカスしています。特にレビューは宝の山です。週に1回、楽天市場だけでなく、すべてのECモールのレビューを集計し、その中でもスター評価が低いものを中心に社内で共有しています。
正直なところ、グサッとくるような厳しいご意見もあります。それでも、各部署が責任をもって向き合いながら、地道にサービスを磨き上げています。たとえば、「設置工事の申し込みの流れがわかりにくい」というご意見から、テキストだけでなく画像も使って案内するように改善したケースもあります。結果的に、こうしたオプションとともに商品を購入してくださる方が、1年前と比較して着実に増加しています。

池田(家具のソムリエ) PREMOAさんのような取り組みは、本当にすごいことなんですよね。レビューを集計する作業も大変な上に、各部署の担当者が自分ごと化して改善する文化は、簡単に根付くものではありません。
私たちの場合は、シリーズで雑貨を買いそろえたいファンのために、特集ページを作成してシーン別に訴求しています。また、商品説明と併せて同じシリーズの別商品も紹介するなど、お客様が商品を迷わず選べる仕組みを作っています。
嶋村(PREMOA) たしかに、当店でもお客様が迷わないように、必要な情報をできるだけカート付近に掲載していますね。たとえばエアコンなら、設置工事の案内や工事が可能な日程をバナーなどで知らせています。

池田(家具のソムリエ) あとは、商品の魅力を最大限に引き出す「クリエイティブ」にもこだわっていますね。小売の多くは、メーカーから提供される写真素材を掲載するため、競合と同じような商品ページになりがちです。それに対して当店舗では、売上が伸びそうだと判断した新商品は、メーカー提供の素材に頼らず自社で写真を撮影し、独自の世界観を表現しています。
社内にカメラマンとスタイリストがそれぞれ5名程度在籍しており、商品が魅力的に見えるクリエイティブを作り込んでいます。お客様の第一印象を決めるのは、やはり写真。クリエイティブで個性を出すことが、お客様に選ばれる大きな理由の一つとなっています。

嶋村(PREMOA) 共感です。楽天市場に限らず、ECモールでは表現の幅が限られているので、その枠の中でいかにお客様に響く訴求ができるかが勝負だと思います。