越境ECで成功するブランドが必ず行っていることは?
越境ECで成功するには、次のように自社で扱う商材の特徴や相性を見極めながら、市場戦略を立てなければなりません。
- ターゲット国の絞り込み:市場ごとに需要が異なるため、たとえば「スキンケアなら美容意識が高いシンガポールやタイ」「日本食品ならベトナムやフィリピン」といったように、商品特性にあった国を選定しましょう。
- 物流・関税の最適化:現地倉庫を活用するなど、関税・配送コストの削減に取り組むと、価格競争力が担保できます。
- 日本ブランドの強みを生かした訴求:現地ブランドより価格帯が高くても手に取ってもらえるよう、「高品質・安全性・機能性」を前面に出し、富裕層やこだわりの強い消費者層に訴求すると良いでしょう。
- 現地に適した販売戦略:ローカルの購買行動にフィットさせるため、ライブコマースやインフルエンサー施策を活用してみましょう。
北米・欧州、中国、東南アジア 主要市場の越境ECでの戦い方
前出の通り、「越境EC」と一言にまとめても国・地域ごとに異なる市場環境や特性があります。それぞれの市場で成功するには、適切なプラットフォームを選ぶなどきちんと戦略を立てることが重要です。ここからは「北米・欧州」「中国」「東南アジア」と主要市場を3つに分け、最新動向と成功しやすい商材を紹介します。
北米・欧州:成熟市場であるがゆえ「ブランド戦略」が鍵に
北米・欧州は、既にEC市場が成熟しており、AmazonやeBayが主流の販路となっています。そのため、単に安さを訴求しても成功しにくいでしょう。ブランドイメージやレビューの評価が購入の決め手となる市場です。
特に消費者の関心が高まっているのは、サステナブルやエシカル消費に対応した商品です。「価値あるものを長く大事に使いたい」という意識が高いため、大量生産ではなく職人によって生産される日本の伝統工芸品や和包丁など、「高品質」「こだわり」を前面に出した商品も支持を集めています。
競争が激しい市場だからこそ、ニッチなターゲット層に特化し、独自のブランド価値を確立できるかどうかが成功の分かれ目となるでしょう。
北米・欧州で成功しやすい商材

中国:天猫(Tmall)・京東(JD)が市場を独占、規制が参入の壁に
中国市場は、圧倒的な消費力を背景にEC市場の成長が続いています。その成長を支えているのは、AlipayやWeChat Payといったキャッシュレス決済の普及です。これにより、オンラインでの購買行動が日常生活に溶け込み、9億人以上のECユーザーが存在しています。
さらに、中国はライブコマースが盛んで、SNSを通じた爆発的な拡散力がある点も特徴です。話題性のある商品は特に市場投入後のインパクトが大きく、瞬く間に売上が伸びる可能性があります。たとえば、日本のスキンケア商品は「高品質」「安全」のイメージが強く、やや高級ながら健康志向の高い消費者層に人気です。
中国市場においてはSNSやインフルエンサーとの連携が必要不可欠です。「トレンドの波に素早く乗れるか」を意識すると良いでしょう。
中国で成功しやすい商材

東南アジア:急速なデジタル化が日本ブランドに追い風
東南アジア市場は、スマートフォンの普及とキャッシュレス決済の浸透により、EC市場も急速な発展を遂げてきました。中国同様、日本製スキンケア商品の人気が高く、富裕層を中心に「高品質」「安全性」といった信頼性の担保が、強力な訴求ポイントになっています。
東南アジアで成功しやすい商材
