国内EC、もう限界かも……?と思うあなたへ
国内EC市場の競争激化にともない、広告費の増大や手数料負担が課題となっている現状において、新たな成長戦略として越境ECが注目されています。こうしたトレンドを鑑みて、ファンコミュニケーションズでも越境ECモール「imoco」を展開し、シンガポールを中心に、ライブコマースやインフルエンサー施策を活用して、現地消費者との接点を生み出しています。
今回は、imocoの推進を担当し、越境EC市場を日々ウォッチしている私から「自社商品をもっと多くの人に届けたい」と考えている方へ、成功のポイントをご紹介します。
集客増を狙う中で越境ECは有効なのか?
経済産業省のデータ(「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」)によると、日本国内のBtoC-EC市場規模は2023年時点で24.8兆円を記録しており、世界のEC市場の伸びから今後も成長し続けることが予測できます。
しかし、市場が拡大すれば参入企業も増え、競争は激化します。既に熾烈な価格競争が繰り広げられており、広告費の高騰、手数料負担増加に起因する利益率の低下に苦しむ事業者も増えているのが現状です。
こうした背景や少子高齢化による可処分人口の減少など、国内市場の厳しさを受け、海外進出を視野に入れるのは自然な流れでしょう。海外に目を向けると、特に東南アジアのEC市場は急成長しており、2025年には約1,720億USドル(約26.7兆円)に達すると予想されています(Shopeeコラムを参照)。既に、東南アジアのEC市場は日本に匹敵する規模にまで拡大しているといえます。

成長市場では、早期参入が圧倒的に有利です。遅れるほど、激しい競争の中で策を練らなければならず、日本市場と同様の消耗戦に巻き込まれる可能性もあります。
東南アジアに進出する手段の一つとして、大きく注目されているのが越境ECです。経済産業省の調査では、対中国・対米国の越境ECにフォーカスが当てられていますが、近年は日本ブランドの信頼性を生かし、東南アジアの市場規模も拡大しています。成長国かつ親日国も多いことから、日本企業にとっては追い風が吹いている環境といえるでしょう。
しかし、日本企業が越境ECに取り組めば必ず成功するわけではありません。大きなインパクトを残す企業、成功するブランドには共通する特徴があります。ここからは、そういった特徴や世界の地域別の越境ECトレンド、越境ECと相性の良い商材などをお伝えします。