顧客が求めているのは科学的な根拠? アイデアにつながった声
2025年で誕生から25周年を迎えるest。日用品から化粧品まで様々なカテゴリーを扱っている花王の中でも、美容への探求心が強い人をターゲットとしている。主に百貨店で美容部員によるカウンセリングのもと商品を販売。特にスキンケア商品の展開に力を注いでいる。
同ブランドが2024年4月にスタートしたのが、サブスクリプションサービス「est Skin Athlete Gym」だ。立ち上げ背景には、顧客から寄せられた声があった。
「手入れを一生懸命しているのに、なぜ肌の状態が改善されないのか。良い口コミが付いている商品を使っているが、本当に自分に合っているのかわからない。エステを受けても効果が持続しない。お客様からこうしたご相談をいただいていました。
estのお客様は、自分の成長のために積極的にチャレンジする方が多いです。より良い美容法の情報を収集しています。だからこそ、自ら行っているケアが正しいのか確信が持てず不安を感じているのです。その不安を解消するには“科学的な根拠”や“プロの意見”が必要だと考えました」

そこでest Skin Athlete Gymでは、皮脂から肌の状態を解析できる独自開発の「皮脂RNAモニタリング技術」を導入した。肌悩みと一言でいっても原因は人それぞれだ。清原氏は「現状を分析することで、なりたい自分になるための的確かつ効果的なライフスタイルを提案できる」と強調する。
サブスクサービスのユーザーには、1~2回利用して解約する人もいるだろう。そんな中、est Skin Athlete Gymの場合は基本的に半年から1年のコースとなっている。トライアルコースでも利用期間は2ヵ月。肌状態は1回のスキンケアでは改善しないからだ。
「目指しているのはスキンケアの“パーソナルジム”です。そのため、日々変化していく肌に継続的にアプローチできる仕組みにしています」


価格だけを見ると、1年コースで33万円、半年コースでも18万円と決して安くはない。また、サービス提供は現時点で銀座にある実店舗のみだ。それでも、遠方も含めて様々なエリアから人が集まるという。契約者は、どのような点に魅力を感じているのだろうか。