困りごとはその場で解決 ユーザー満足度を上げる三つの強化ポイント
ココナラでは「Braze」の導入前、メールやプッシュ通知、ポップアップの表示を別々のシステムで運用していた。そのため、細かいセグメント分けやチャネルをまたいだシナリオ作成が難しい状態だったという。また、複数システムの活用によるランニングコストの増加、オペレーションの属人化といった様々な課題もあった。清水氏は「『Braze』導入後に負担が軽減された」と語る。
「一つのプラットフォームで各チャネルのアクションを管理できる点が、『Braze』の魅力です。同じデータに基づいて、適したチャネルとタイミングを選択できます」(清水氏)
こうした機能を活用し、ココナラは新たな取り組みにもチャレンジしている。清水氏は、ココナラが大切にする考え方と今後の展望を共有した。
「ユーザーの属性データと行動データにもとづいた施策の実行は重要ですが、特定の領域に施策が偏ることがあります。そうした状況を防ぐため、当社は『サービスから得られる利益(購入動機)を伝える』『ユーザーの疑問や不安を取り除く』『ユーザーの購入をキャンペーンやインセンティブ施策で後押しする』の3点のバランスを取るように心がけています」(清水氏)
ここでポイントとなるのが「ユーザーの疑問をその場で解消する」ことだ。サイトを離脱した1週間後にメールやプッシュ通知を送っても、ユーザーには響かないだろう。購入検討のタイミング何を買おうか迷っているユーザーに利用事例を提供する、予算の都合で購入をためらっていると推測できるユーザーに、すばやくクーポンを提供するといった“リアルタイム”なアクションが求められる。
「ウェブサイトの制作やアプリ開発のスキルを購入する場合、金額が高いためユーザーは慎重になるはずです。そんなときにも、すぐにサポートメンバーが相談に乗るなど、ユーザーがモヤモヤを何日も抱えずに済むサービスを提供したいですね」(清水氏)
「サイト改善の検討時には、レコメンドの仕組みやカート放棄の防止に焦点が当たりがちですが、ユーザーがまだ気づいていない機能を知らせるなど、基本的なコミュニケーションも非常に重要です」(紺野氏)
ユーザーの立場に立ったコミュニケーションを積み重ねながら、ココナラは「すべてがそろうサービスプラットフォーム」を目指す。
「今は、何か困ったことが発生すると、大手検索エンジンで解決策を探すのが当たり前の時代です。一方で、困りごとを解決してくれる”人”を探せるプラットフォームは、まだ多くはありません。ユーザーが大手検索エンジンと同じような感覚で、『ココナラで“人”を探そう』と思えるような存在になりたいです」(清水氏)
「今後も『Braze』を通じて、ココナラが総合型プラットフォームへとさらに進化できるよう支援します」(紺野氏)