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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECzine Day 2024 June レポート

生成AIの不完全さを受け入れる 三越伊勢丹・TSIに学ぶ画像コンテンツへの活用とリスク回避の考え方

 業務効率化のため、ECサイトの画像作成などに生成AIを活用しようとする企業もいるだろう。その際に意識したいのが、クオリティを担保するオペレーション構築やコンプライアンスへの対応だ。2024年6月6日開催の「ECzine Day 2024 June」に、生成AIによって業務効率化と独自性の両立に挑戦している株式会社三越伊勢丹 オンラインストアグループ デジタルベース運営部 計画 マネージャー 石井健二氏、株式会社TSI プラットフォーム本部 デジタルプラットフォーム部長 岸武洋氏が登壇。実際の取り組みやリスク回避の考え方などを共有した。

現場から聞こえてきた生成AI活用へのポジティブな反応

 三越伊勢丹は、自社のECサイトや外部クライアントのささげ業務を行う組織「ISETAN STUDIO」を有する。同組織は、2023年9月に生成AIモデルを導入。自社での活用とともに、BtoB向けの新たな撮影サービスもスタートした。導入理由について、石井氏はこう語る。

「商品の着用感をリアルに想像できる仕組みを作り、より良い顧客体験を提供するためです。売り場の担当者ともコミュニケーションを取りながら、生成AIモデルを作り込んでいます」(三越伊勢丹 石井氏)

株式会社三越伊勢丹 オンラインストアグループ デジタルベース運営部 計画 マネージャー 石井健二氏
株式会社三越伊勢丹 オンラインストアグループ デジタルベース運営部 計画 マネージャー 石井健二氏

 生成AIモデルの導入後、商品の販売担当者からは「従来のトルソー画像よりも生成AIモデルのほうが着用感を的確に伝えられる」「実店舗と同様に、提案できるコーディネートのバリエーションが増やせる」と、ポジティブな反応が得られたという。

「デジタル化が先行すると、各現場の担当者から理解を得られないのではと不安でした。しかし、実際には『コーディネート画像がわかりやすくなった』と、お客様からも各現場の担当者からも好評です。今では、様々なブランドを扱う百貨店ならではの課題を生成AIによって解決できると確信しています」(三越伊勢丹 石井氏)

三越伊勢丹の取り組み
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 一方、「NANO universe」などのアパレルブランドを展開する株式会社TSIホールディングス(以下、TSIグループ)は、2024年4月にECサイトにおける生成AI活用を発表した。コーディネート画像のバリエーション創出に取り組んでいる。

「二つ以上のコーディネート画像を組み合わせて、新たなコーディネート画像を生成する仕組みです。バリエーションを増やすために、スタッフによるコーディネートの発信なども行っていますが、どうしても手間がかかります。業務効率化を目的に、生成AIの導入を決めました」(TSI 岸氏)

TSIの取り組み
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 同グループが生成AIを導入する上で重視したのが、「社内への浸透のしやすさ」だ。

導入しても活用できる人が限られていると、業務の属人化につながります。結果的に、生成できるコンテンツ数が限られるでしょう。そのため、『誰でも使える』を軸にツールを選定しました。導入から間もないですが、手応えを感じています」(TSI 岸氏)

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この記事の著者

田中なお(タナカ ナオ)

 物流ライター。青山女子短期大学を卒業後、物流会社に14年間勤務。その後、2022年にフリーライターとして独立。企業オウンドメディアや物流ニュースメディアで発信活動をし、わかりやすく「おもしろい物流」を伝えている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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