魅力あるアプリ作りの秘訣 Paul Stuart・LeTAOなどの事例を紹介
これから自社アプリ構築をしたい、既に運用しているが改善を図りたいと考えている企業にとっては、既に先ゆく企業が実際にどのような施策を行い、成果を出しているのか気になるところだろう。そこで神田氏は「成果に差が出る小売アプリの鉄板施策」と題し、Yappliの導入事例を紹介した。
1つ目に紹介されたのは、株式会社パレモが運営する「PALEMO STOREアプリ」だ。同社は、レディースアパレル、雑貨、バッグを扱うブランドを複数展開しているが、2022年に自社アプリをブランド統合型にリニューアルした。
好評なスタッフコーディネートへ容易に遷移できるメニュー配置、視覚的にわかりやすいカテゴリー表示、サイト内の導線改善などを行った結果、アプリリニューアル後のEC売上が145%を記録。アプリ経由のEC売上が36%を占め、EC直帰率は3%下がるなど、プラスの成果を生んでいる。
2つ目の事例は、株式会社三陽商会が展開する「Paul Stuart(ポール・スチュアート)」の公式アプリだ。同ブランドが自社アプリをリリースしたのはコロナ禍以前だが、リリースを機にEC売上を大幅に伸ばしている。注目すべき点は、同アプリをダウンロードしたユーザーの40%が月1回以上アプリを立ち上げ、アクティブユーザーとして機能している点にあるという。
「こうした高い数値を記録できている理由は、自社アプリでの『おもてなし施策』にあります。Paul Stuartでは、セールや新商品の情報をどの媒体よりも早く自社アプリで伝えるようにしました。そのほかにも、店舗での特別イベントに招待するなど、自社アプリを介して『他チャネルにはない体験』を提供しています。顧客接点強化の好例といえるでしょう」
3つ目に紹介されたのは、株式会社ケイシイシイが運営する北海道の洋菓子ブランド「LeTAO(ルタオ)」の事例である。同社はECアプリの商売色の強さをブランド展開していく上で課題とし、自社アプリを商品への思いやブランドの本拠地である北海道・小樽の魅力を伝える情報発信型アプリに変更。すると、リニューアル後には1ヵ月平均購入者数が8倍に伸び、自社アプリ経由の売上は200%増加した。