SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

最新イベントはこちら!

ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECzine Day 2023 Autumn レポート

ヤマハ発動機・BASE FOODのファンコミュニティに“熱い”顧客が集まる理由 違いと共通点を探る

 企業が顧客と直接つながる新しいタッチポイントとして、ファンコミュニティが注目されている。どのように運営すれば、顧客満足度が高い商品の開発や迅速なサービス改善につなげられるのだろうか。2023年9月22日開催の「ECzine Day 2023 Autumn」では、ヤマハ発動機株式会社 プロダクトデザイン部 グループリーダー 木下保宏氏、ベースフード株式会社 マーケティング部 コミュニティマネージャー 吉田千紘氏が登壇し、両社のファンコミュニティの取り組みを紹介。商品特長を活かした運営方法の在り方を探った。

商材の異なる2社に共通する熱心なファンの存在

 ヤマハ発動機とベースフードはまったく異なる商材を取り扱いながらも、熱心な顧客が集まるファンコミュニティを運営し、ビジネス成長につなげている点で共通している。

 ヤマハ発動機は、オートバイや電動アシスト自転車、ボートなどの商品を通して「感動を創造する」ことを事業目的に掲げており、同社初のファンコミュニティにもその精神が反映されている。2022年に国内発表した新型スポーツバイク「YZF-R7」のオーナー向けに、コミュニティサイト「ヤマハモーターラボ for R7」を立ち上げた。現在は、主に40~50代以上の男性約900人が参加している。

ヤマハモーターラボ for R7
クリックすると拡大します

 同社の木下氏は、立ち上げた理由を「通常、プロダクトデザインは商品を作るまでが仕事だが、これからは発売後のお客様との関係もデザインしていく」と説明する。

 木下氏いわく、その背景には時代の変化により「『モノを売って終わり』では勝ち残るのが難しくなった」ことが関係しているという。昨今は、多様化・細分化する顧客ニーズに対応するために、顧客との相互交流によるリサーチが必要になっているからだ。

ヤマハ発動機株式会社 プロダクトデザイン部 グループリーダー 木下保宏氏
ヤマハ発動機株式会社 プロダクトデザイン部 グループリーダー 木下保宏氏

 また、顧客と直接やりとりし意見を聞くことで、エンゲージメントや企業ブランドイメージを向上するといった狙いもある

 一方、2016年創業のベースフードは、1食に必要な33種類の栄養素がすべて摂れる完全栄養食を開発・販売している。パンの「BASE BREAD」シリーズの他、パスタやクッキーを展開しており、現在、定期購入者は20万人以上に上る。この定期購入者を対象としたファンコミュニティが、「BASE FOOD Labo」だ。

 BASE FOOD Laboでは、会員が「研究員」として商品開発やサービス改善に参加できる。ダイエットプログラムなど、会員同士で励まし合ったり交流したりできる仕組みもある。

 ベースフードとしては、コミュニティを通じて顧客の意見を集め、すぐに開発や改善に活かせる点にメリットがある。

「ファンコミュニティは始めるのが難しいという声もありますが、当社は初期の段階から、成長を目指してコミュニティ作りに注力してきました。育てるのに時間はかかるものの、模倣されにくい『ストック施策』を中心に据え取り組んでいます」(ベースフード 吉田氏)

BASE FOOD Labo ストック型施策の一部
クリックすると拡大します

 同社のストック施策には、アンバサダー制度や顧客の声を反映して商品やサービスの改善を続ける「カイゼン文化」の育成などがある。顧客の声を改善に役立て、それを顧客に伝えることを文化として根付かせる。これにより、信頼関係の構築を図っているのだ。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
直接のやりとりに“楽しさ”と“学び”

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
ECzine Day 2023 Autumn レポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

加納由希絵(カノウ ユキエ)

 フリーランスのライター、校正者。地方紙の経済記者、ビジネス系ニュースサイトの記者・編集者を経て独立。主な領域はビジネス系。特に関心があるのは地域ビジネス、まちづくりなど。著書に『奇跡は段ボールの中に ~岐阜・柳ケ瀬で生まれたゆるキャラ「やなな」の物語~』(中部経済新聞社×ZENSHIN)がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/13623 2023/12/20 07:00

Special Contents

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング