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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECzine Day 2023 Summer レポート(AD)

ECの成長フェーズで変わる顧客行動を理解せよ!CXコマースで叶える売上成長とは

「初期ファン」と「話題化後ファン」の違いを発見

 改革ループについて「まずは、EC上で顧客がどのような気持ちで、どのような購買行動をとっているかを把握する必要があります」と工藤氏。電通が独自で実施した「ECでの買い物行動調査」の結果を提示する。

 本調査は、顧客を大きく2つの属性にわけて比較検証したものだ。ブランドが立ち上がった初期に商品を購入した顧客を「初期ファン」店頭販売やCMが開始したタイミングで商品を購入した顧客を「話題化後ファン」と設定。調査の結果、「成長段階ごとに顧客の意識・行動・考え方の属性が異なる」ことがわかったという。

 まず工藤氏は、彼らの欲求意識を比較した。初期ファンは「人から好かれたい・一目置かれたい・よく思われたい」など、他社の存在が強い傾向にある。一方、話題化後ファンは「セクシーな体験をしたい」「リラックスしたい・のんびりしたい」と、自身の楽しさを重視する傾向が見られた。

 「初期ファンはベクトルが外向き、話題化後ファンはベクトルが自分向き」と、工藤氏は結果を分析する。

ベースの欲求意識(差異比較)
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 次に買い物意識では、初期ファンは「商品の開発ストーリーや企業・ブランドの商品への思いを知ってから購入したい」がトップだった。それと比較して話題化後ファンは、「迷ったときは、人気のある商品や無難な商品を選ぶ」傾向があった。

 また、商品やブランドをはじめて「知った」情報源では、初期ファンは「企業・メーカーの公式通販サイト」「Amazon・楽天市場・Qoo10などの総合通販サイト」が上位。話題化後ファンは、「企業・メーカーの公式LINE」「新聞・雑誌の記事」が1位、2位を占めた。

初期ファンの回答からは、アンテナの高さがうかがえます。類似商品を検討し、他ECサイトやモールで買い回りする傾向があるのでしょう」(工藤氏)

商品やブランドをはじめて「購入する決めてになった」情報源
クリックすると拡大します

 ブランドとユーザーの関係では、評価軸が明確に分かれた。初期ファンは「私たちの求めていることをやってくれる」といった意見が上位。評価軸の主語が「自分」になっている。しかし、話題化後ファンは「このブランドを食べたり、見たりすると、仲間・コミュニティの一員になれる気がする」という回答が上位に入っており、主語がブランドとなっている。

 このように、初期ファンと話題化後ファンでは意識に差がある。つまり、ECの成長フェーズに合わせた戦略設計が「成長し続けるEC」の重要ポイントになり得るということだ。そして、こうした効果的な購買体験設計を電通グループでは「CXコマース」と定義している。

入り口は「ポジティブ」に、ブランド確立後は「安心感」を

 岩崎氏からは、CXコマースを実現するための具体的な施策として、「ポジティブな購入動機」「ネガティブを打ち消す安心感」の2つが紹介された。

「EC事業の立ち上げ期と拡張期には、市場競争に勝つ必要があります。そのため、ポジティブな購入動機やわくわく感など、購入動機を提供する施策が重視されます」(岩崎氏)

株式会社電通プロモーションプラス デジタルプロモーション事業部 コマース&デジタルメディア推進部 岩崎真氏
株式会社電通プロモーションプラス デジタルプロモーション事業部 コマース&デジタルメディア推進部 岩崎真氏

 ポジティブな購入動機の提供方法は商材の特性によって様々。岩崎氏は「顧客に寄り添う1to1コミュニケーション」「エンターテインメント性のある購買体験」「希少品の期待感を醸成するストーリー」を例に挙げる。

 ポジティブな購入動機を提供しブランドの魅力が確立されると、次に迎えるのが「成長期の壁」だ。

 「ポジティブな購入動機の提供だけでは売上が伸びない時期がくる。そこで必要なのが、ネガティブを打ち消す安心感などの提供だ」と岩崎氏は提案。「LINEの公式や企業のECサイト、商品レビューの存在」「店頭やポップアップストアなどの販売チャネル展開、マスメディアへの露出」「カスタマー対応」といった例を共有した。

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悩み相談をあえてAIに 小林製薬のCXコマース事例

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この記事の著者

田中なお(タナカ ナオ)

 物流ライター。青山女子短期大学を卒業後、物流会社に14年間勤務。その後、2022年にフリーライターとして独立。企業オウンドメディアや物流ニュースメディアで発信活動をし、わかりやすく「おもしろい物流」を伝えている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社 電通グループ

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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