Web3時代に選ばれる企業・ブランドになる5つのポイント
眞喜志氏は、「真に求められる顧客体験の源泉は、企業・ブランドの思想にある」と続ける。数多くの企業・ブランドが世に溢れる中、今後は『なぜ今その取り組みをするのか(したいのか)』といった自社の思想がますます重視されるということだ。「なぜ」「誰に」「どのような価値を提供するのか」といった要素を整理し、企業・ブランドの「らしさ」を定義づけてチーム内、あるいは社内全体で共通認識を持つ。それが「企業・ブランドを象徴する商品やサービス、体験の提供、ひいては顧客の愛着醸成につながっていく」と眞喜志氏は解説する。
「もし現時点で顧客に満足のいく体験が提供できていない場合は次の5点を振り返り、見直してみましょう。その答えが商品やサービス、体験の改善や、新たなブランドUX策定の端緒になります」(眞喜志氏)
- Verbal(言葉による世界観):企業・ブランドのメッセージ、ストーリー、タグラインを洗練し、世界観を構築する
- Design&Creative Direction(クリエイティブ):キービジュアルやパッケージなどのビジュアルデザインなど、象徴的な世界観・理想像をユーザーに伝える視覚情報を磨く
- Implementation(実装):構築した世界観に基づいて、顧客とSNSなどを介してどのようにコミュニケーションを取るか。顧客への語りかけや顧客同士のコミュニケーション、 顧客中心のコンテンツを意識する
- Asset Delivery&Refinement(価値の再定義):企業・ブランドの情緒的・機能的価値を再発見する。企業・ブランドとして顧客に提供する価値が何か常にとらえる。UXを策定して終わりではなく、スピード感を持って日々見直す
- Marketing Communication Strategy(リアルタイム戦略):デジタル広告やメールなどを介して、適切なタイミングで顧客に情報を届けていくための戦略を設計する
最後に眞喜志氏は、「何よりも重要なポイント」として次のように語り、セッションを締めくくった。
「自らがひとりのユーザーとして、必ず体験・検証を行うことを忘れてはなりません。企業・ブランド側の立場から情報発信やアプローチの方法を考えるだけでなく、生活者視点で改めて見直すことが、顧客に提供する価値の整理につながります」(眞喜志氏)