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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

季刊ECzine vol.19特集「Accelerate OMO ~人×テクノロジーでアップデートする店舗DX~」

1,000万円オーバーの車種も売れる BMWオンライン・ストアが示すブランドECと未来の売場の可能性

 「駆けぬける歓び」をすべてのチャネルで伝える。ディーラーとタッグを組む自社EC展開を紐解く。 ※本記事は、2021年12月24日刊行の『季刊ECzine vol.19』に掲載したものです。

 ECで高価格帯のものは売れない—それはもうひと昔前の話である。2020 年7 月に自社EC「BMW オンライン・ストア」をオープンしたビー・エム・ダブリュー株式会社では、同年9月に販売した1,860万円(税込)の限定車「BMW X7 Edition Dark Shadow」がわずか3分で完売するなど、オンラインの販路で大きな成果を残している。日本全国に数多くのディーラーを有し、これまでオフラインで強固な販路を築いてきた同社がなぜEC販売に目を向けたのか。高単価かつブランディングも欠かせない車という商材を扱う中で、どのようにOMOを実現しようとしているのか。BMWブランド・マネジメント・ディビジョンでブランド・コミュニケーション・マネージャーを務める京谷さんに話を聞いた。

ビー・エム・ダブリュー株式会社 BMWブランド・マネジメント・ディビジョン ブランド・コミュニケーション・マネージャー 京谷麻矢さん

モール、テレビショッピングなど挑戦から得た確信でEC展開を推進

 ビー・エム・ダブリューは、2015年にAmazonで電気自動車「i3」の販売を実施。2018年には初のテレビショッピングでの販売に挑戦し、限定車種のEC販売にも着手するなど、積極的に新規販路開拓を実施している。デジタライゼーションを進める取り組みはBMWグループ全体で展開され、「ECでものを購入する人が年々増える中で、日本国内においても既存のショールームを構えるだけでない販売の形やチャネル開拓に取り組む必要があると考えた」と京谷さんは語る。2020年7月に全車種を扱うBMWオンライン・ストアがオープンしたのは、こうした考えや従来の取り組みで得た手応えが導き出したひとつの解と言える。

「最初は私自身も『実物を見ずに、家の中から数百万円以上の自動車を購入してくださる人がどれだけいるのだろうか』と考えましたが、テレビショッピングにチャレンジした際に、10台用意した600万円台の自動車が番組内で完売する様子を見て、お客様へ新たな購入手段を準備する必要性を確信しました。いきなり自社ECを展開するのではなく、Amazonへの出品など段階を経て得た学びをもとに、BMWオンライン・ストアを構築しています」

 現在、同社のメインユーザー層は50代半ばだと言うが、今後は20代、30代といった未来の顧客にも、BMWを自動車購入時の選択肢に加えてもらう必要がある。オンラインでの情報収集や購買行動が当たり前となる世代にとっては、EC上で得ることができない情報が存在する、もしくはショールームへの来訪なしに購入できないといったチャネルの壁は、十分に購入検討時の足かせとなり得てしまう。顧客1人ひとりにフィットする体験を提供するためにも、「望む人には、購入までのステップをすべてオンラインで完結させる。こうした購買手段を生み出すことは必須であった」と京谷さんは説明した。

「決して、本部から指示があったからEC化を進めたという受け身なものではありません。幹線道路沿いのショールームでお客様が来店するのを待っている、こうした既存の販売手法だけでは時代に適応できないだろうと感じていました。日本独自の新規チャネル開拓も、こうした思想が生んだ行動です。さらにチャネルを増やしたいと考えていたところで、本部からデジタライゼーション、EC化の話があり、お互いの思惑が合致したため、2020年7月に実現したという流れになります。すでに自社EC展開はタイ、インド、韓国などで一定の成果を上げていたので迷いはなく、日本の販売事情にどうアダプテーションさせるかを考えていきました」

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

立教大学現代心理学部映像身体学科卒業後、広告制作会社、不動産情報サイトのコンテンツ編集、人材企業のオウンドメディア編集を経験し、2019年に翔泳社に入社。コマースビジネスに携わる方向けのウェブメディア「ECzine」の編集・企画・運営に携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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