インバウンドとは「内側へ入ってくる」という意味で、外国人が日本国内を訪れる「訪日旅行」を指す言葉としてよく使われる。対義語として、日本人が外国へと旅立っていく「アウトバウンド」という言葉も存在する。
円安の影響や日本文化の認知向上などを背景として、近年はインバウンド観光客の急速な増加が話題となっている。ビザ取得の要件が緩和されたことや、免税措置が広く行われるようになったことも理由として大きい。2020年から2022年にかけては、新型コロナウイルスの影響によりインバウンド需要が一時的に冷え込んだものの、感染拡大が下火になった2023年以降、日本への来訪者(訪日観光客)数はV字回復を遂げている。
インバウンド需要が注目されるようになったのは、中国人観光客による爆買いブームや、東南アジア諸国の経済成長による海外旅行需要の増加が背景にあったが、近年は欧米諸国からの来日観光客も増えている。
また、訪日観光を通じて日本の特産品や生産品に興味を持ち、母国から越境ECサービスを使って商品を購入するという動きも加速しつつある。少子高齢化や景気の停滞で日本市場が縮小している中、海外市場への進出を可能にする越境ECは、企業にとって新たな顧客を得られる、貴重な選択肢といえる。
なお、「訪日旅行」の意味合い以外に、コールセンターやカスタマーサポートの業務区分を示す単語として「インバウンド」が用いられるケースもある。その場合は、ユーザーや顧客から電話で直接問い合わせを受けることを指し、具体的にはeコマース(EC)や通販での電話注文受付や、購入者・購入検討者からの相談、故障や返品・交換を求める顧客からの問い合わせ対応などが挙げられる。
同じカテゴリの他の用語
インバウンドに関連するおすすめ記事
Special Contents
AD