RPP広告で詳細分析可能に スマホ版向け新機能にも注目
楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの直近の動きとしては、ページ改善に関するリリースが多かったと語る高木さん。楽天市場はスマートフォンページ、Amazonはブランドページ、Yahoo!ショッピングはパソコン版のページに変化が見られたとのことだが、順を追って解説しよう。
楽天市場の大きな変更点としては、スマートフォンサイトのテンプレートが統一化される点が挙げられる。これまでデザイン面で工夫を凝らし、顧客に訴求を行っていたショップの場合、表現の自由度が低下すると感じる人もいるかもしれないが、代わりにショップ内の回遊率向上につながる機能実装が施される予定だと言う。
「商品ページ内に目玉カテゴリーを表示でき、大バナーが上部に表示されるようになります。大バナーにはタイマー機能も実装されており、タイムセールなど期間限定で表示させたいバナーの運用などに便利です」
テンプレート統一化にともない、カテゴリーページのハンバーガーメニューの遷移先もカテゴリー一覧へと変更が加えられる。取材時点ではまだそのほかの仕様は確定していない状況だが、本誌が発刊される頃には恐らくより詳細が判明しているはずだ。
「従来と比べると制限が増え、売上を伸ばすことが難しくなると悲観的に考える方もいらっしゃるかもしれませんが、できる範囲でどういった工夫をできるかが結果を大きく左右します。掲載している情報が顧客にとって有益なものとなっていれば、来訪し購入してくれる確率を上げることは可能です。タイマー機能など、新たに実装される機能を積極的に活用し、更新性や発信内容の精度を上げていきましょう。
これまでは技術のあるスタッフがいたり、潤沢な予算を持ち外部のデザイナーなどに発注したりすることができる一部のショップがきれいなショップページを作れる時代でしたが、今回のリニューアルにより全員がフラットになります。これは、中小企業にもチャンスが生まれるということです。顧客目線でどう見られているか、どういった情報が求められているかを考え、それに合った施策を打てば、頭ひとつ抜ける存在となることも夢ではありません。このチャンスを逃さないようにしましょう」
楽天市場関連のアップデートとしては、RPP広告の管理画面上で7月より開始した新たなデータ提供にも注目だ。獲得できるようになったデータは、新規顧客・既存顧客それぞれの獲得数と、クリックから12時間後・720時間後のコンバージョン数。高木さんは「広告で新規と既存を比較できるのは貴重なので、ぜひ分析に活用してほしい」と語る。後者については、分析できる時間軸が増えたことで単価別の購買動向を適切に見ることが可能だ。
「取得できるデータ量が増え、管理画面の情報量も盛りだくさんになっていますが、広告戦略をより詳細に練ることができるようになったのは良い傾向です。データを見て改善を加えれば、売上をアップすることも可能です。こうしたショップの活動を手助けするアップデートが直近の楽天市場には多く見られました」