進む事業のオンライン化 利便性提供の観点で決済手段採択を
2019年10月1日の消費税率引き上げにともないスタートした「キャッシュレス・消費者還元事業」も、2020年6月30日に終了。キャッシュレス決済の普及に向け、国を挙げて行われた大規模施策はひと段落したとも言えるが、世の中のオンライン化は2020年に入り急激に進んでいるのが現状だ。新型コロナウイルス感染症の流行を機に、これまでオフラインのみで展開していた購買活動をオンラインにも広げる動きは各社で進んでおり、オンライン決済サービス「PAY.JP」、ネットショップ作成サービス「BASE」にも、これまでにない幅広い業種・業態の事業者から問い合わせや申込が増えていると言う。
「BASE」では、2020年5月から7月の2ヵ月間で約10万ショップが新たにネットショップサービスを開設。観光業関連の事業者の利用が伸びており、オンライン販売に新たに挑戦した事業者も、SNSで情報発信することで売上向上に成功している。
「緊急事態宣言が発令された4月から5月にかけて、各事業者のオンライン化が劇的に加速しました。同宣言が解除され、勢いは少し落ち着きましたが、以前よりもご相談件数は増えていますし、今後もオンライン進出する事業者が増加傾向にあることは間違いありません。PAYでも、これまでオフラインのみで金銭のやり取りを行っていた事業者のオンライン進出をサポートする機会が増えています」
既存事業のリソースを活かしながらも、新たな販路を設け売上を拡大するには、顧客への利便性提供という観点から、どの決済手段を採択すべきか改めて考えることも重要だ。
「手数料など目先の数値だけではなく、キャッシュレス決済は自社のビジネスと相性が良いか、どうシナジーを起こせるか、こうした視点を持つことが大切です」