「商品模倣の疑いをかけられました。」のQ&A
商品模倣の疑いをかけられました。
Name:en Date:2010年07月23日 20:35
こんにちは。先日念願のショップをオープンしたばかりなのですが、突然別のショップの方から「この商品のデザインがうちと似ている。模倣ではないのか?」と言われてしまいまいました。
オリジナルデザインのグッズ(ワンポイント程度の花のイラスト)です。
確かに似ていたのですが、私は私で考えて描いたデザインで、模倣と言われるのは心外です。
ただ、自分の方が後出しになるわけですから、立場が弱く、何を言っても言い訳のように感じられそうで…。
こういう場合、どのように対応すればいいのでしょうか?
なんとかして誤解を解き、スッキリ解決したいのですが。
初めての事で戸惑っています。
お知恵をお貸しいただけたら幸いです。よろしくお願い致します。
著者の田中です。[en] さん、読んでいただきありがとうございます。「模倣ではないのか?」と言われたとのことですが、状況(相手のこと、デザインのことなど)がわからないので、なんとも判断できませんが、一般的なポイントとしてお話しさせていただきます。類似デザインのに関しては、意匠権が関わってきます。先方のデザインが意匠権を所得しているのかどうかが、まずはポイントとなります。意匠権を所得しているデザインの場合、[en] さんのデザインが類似する範囲となるのかどうかという判断が必要になります。類似すると判断された場合、[en] さんのデザインは使用できなくなり、それによって先方に損害が生じていれば、損害賠償の対象にもなります。通常、第一段階として忠告の知らせがあり、その後、内容証明での通達があります。そこで、何もアクションがおこさないと、必要に応じて裁判を起こされることもあります。裁判を起こしてでも守らなくてはいけないデザインかどうかは、その意匠権を所得している側の判断になります。
一方、意匠権を所得していないデザインの場合には、そのデザインが作られたの時期が [en] さんのデザインができた時期よりも前であることを証明する必要があります。この辺は、非常に微妙な証明となるので、何を証拠に時期を判断するかになりますが、証明責任は先方にあるのが普通です。
意匠権は類似する範囲が非常に難しく、例え意匠権を取得していても申請時の仕方で、類似していないと判断される場合もあり、非常に専門知識が必要とされる分野ですので、どうしても守りたいデザインは、弁理士や特許事務所に相談した方が無難だと思います。
[en] さんの今回の件の対応ですが、「なんとかして誤解を解き、スッキリ解決したい」とのことなので、[en] さんのデザインを今後使用しなくてよいと [en] さんが判断するのであれば、「類似のつもりはなく、オリジナルのものだが、結果として類似であれば使用しない」と先方に伝えて、サイトから削除すれば、それで終わると思います。しかし、「納得いかない、このデザインは譲る気はない」ということでしたら、[en] さんも知識的に武装をして戦えばよいと思います。具体的には「意匠権があれば侵害していないとの見解、類似デザインではないとの判断、オリジナルデザインであることの証明、今回の申し出は心外である旨、デザインを取り下げるつもりはない旨」等を、文書で送るのがよいでしょう。この文書は、配達証明か内容証明で送ってください。一番良いのは、弁護士等の署名で内容証明で送る方法です。ただしこれは、宣戦布告となるので、そのつもりで行動してください。ですので、先方の会社の規模を考え、対応を想定した上で行う方が無難です。
いずれにしても、弁護士か弁理士等に、相談してみてはいかがでしょうか。弁護士会、弁理士会では、地域ごとに無料相談日等を設けている場合も多いので、調べてみて専門家の意見を聞いた上で判断してもよいと思います。事業を始めるとこういった予期しないことも出てきますが、面倒だと思わず、勉強だと思って取り組んでください。参考になれば幸いです。
Name:田中 正志 Date:2010年07月26日 11:12