一度の出会いを逃さない LINE活用で追いコンバージョン獲得へ
工藤氏は、CVR改善策として「離脱ユーザーのナーチャリング」の重要性についても言及した。一度来訪したものの、何らかの理由で離脱したユーザーに対するアプローチ方法としては、リターゲティング、メール・DMなどでの訴求が考えられるが、「こうした訴求方法も最新のチャネルに対応することが必要」と工藤氏は説明する。
NTTドコモ モバイル社会研究所の調査によると、2021年1月時点でスマートフォン・携帯電話所有者の8割以上がLINEを利用。さらに、LINE利用者の3人にひとりは企業のLINE公式アカウントから商品購入の経験があることも明らかになっている(ソーシャルデータバンク調べ)。そこで、ジーニーでは「囲い込み接客へのLINE活用が、今後のマーケティングのスタンダードになる」と考え、Web接客ツール「Chamo」の新機能としてLINE公式アカウントを連携したサービスを提供。LPに来訪したユーザーが離脱する直前にポップアップでLINE公式アカウントへの登録を促し、登録後に同アカウントに実装したチャットbotを用いてナーチャリングを実施。LPへの再流入や商品購入に導く。
LINE公式アカウントを用いた施策としては、「リタゲLINE」も有効だ。従来主流とされていたリタゲ広告は、たとえばCVRが5%の場合、常に95%のユーザーを捨てている状況となる。近年はCookie利用規制の影響もあり、効果の低減や配信ボリュームの減少も課題となっているが、離脱時にLINE公式アカウントへの登録を促しておけば、離脱ユーザーの蓄積が可能だ。そして、LINE公式アカウントからクーポンやメッセージの配信を通して再アプローチを繰り返せば、既存施策にプラスでいわゆる「追いコンバージョン」を獲得できるようになる。
「LINEはリターゲティング広告よりもCTRが高く、メルマガよりも開封率が3~4倍ほど高いと言われています。こうした観点からも、非常に効率の良い施策と言えます」(工藤氏)
実際にリタゲLINEを実施したオーラルケア系単品リピート通販事業者では、施策展開により1,240件のコンバージョンを追加で獲得。これは離脱ユーザーの3.95%にあたり、施策を実施しなければ取りこぼしてしまっていたユーザーと言える。また、ダイエット系単品リピート通販事業者では、リタゲLINEにより1ヵ月あたり75件コンバージョンが増加、導入ページPVの0.5%が追いコンバージョンであることも判明している。一度離脱したユーザー、取りこぼした注文を適切にフォローすることの重要性が数字からもうかがえるだろう。
最後に工藤氏は、改めて囲い込み接客を行うポイントをまとめ、このように締めくくった。
「囲い込み接客に取り組む際は、まず検索機能のユーザビリティを上げて、ユーザーが欲しい情報を確実に提供し、CVRを上げましょう。次に行うべきは、入力フォームに到達したユーザーが確実に購入してくれるよう、カゴ落ち防止の手を打つことです。それでも離脱してしまうユーザーに対しては、最新のチャネルに対応したナーチャリング施策を展開し、一度得た機会は逃さないようにします。こうすることで検討・購入フェーズを通したECサイト全体のCVR向上が期待できます」(工藤氏)
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