購入意欲を削がない入力フォーム作り ユーザーの「慣れ」に着目を
続いて、ジーニーの工藤氏が購入フェーズにおいてCVRを向上させる方法を語った。まず「80%」という数字を提示し、この数字が何を示すものか次のように説明する。
「この数字は、入力フォーム到達後に離脱してしまうユーザーの割合を示したものです。ECでは『カゴ落ち』と言われますが、EC上のデザインを工夫したり、巨額な広告費を投下して集客したりしても、これだけ多くのユーザーが離脱しています。売上を上げたいのであればこの数字に目を向け、カゴ落ちするユーザーをできるだけ減らし、CVRを上げるようにしましょう。CVRが改善すれば売上も一気に上がります」(工藤氏)
Baymard Instituteが実施した調査によると、カゴ落ち理由の上位は「追加コストが高すぎる(送料・税金・手数料など)」が55%、「アカウント作成が必要」が34%、「完了までのプロセスが長すぎる/煩雑すぎる」が26%となっている。最後に挙げた完了までのプロセスについては、入力フォームに関する課題となるため、「ツールを導入し、活用すれば劇的な改善が可能である」と工藤氏は続けた。
そこで、工藤氏はカゴ落ちを改善する方法として、Web接客プラットフォーム「Chamo」に搭載されている「チャットEFO」機能を紹介。同機能は、EFOツールの機能をチャットボットで実現するものであり、対話や質問を通してオペレーターによる案内を疑似体験しながら、名前や電話番号、メールアドレスなど購入に必要な情報をページ遷移なしに入力できる。最後まで離脱せずに入力完了できるよう伴走してくれるため、導線の改善、CXの改善、そして離脱を防止してCVRの改善を図ることが可能だ。
「チャットEFOを用いることでユーザーのストレスを軽減し、CVRが1.2倍~2倍まで向上した事例も存在します。既存の入力フォームをチャットEFOに置き換えれば、大きな成果を得ることが可能です」(工藤氏)
同機能の導入により、ヘアケア商品を扱う単品リピート通販事業者ではCVRが2倍に向上。人材サービス事業者では、アルバイト採用説明会の予約フォームにチャットEFOを導入したことでCVRを1.4倍にまで伸ばしたと言う。
「昨今のユーザーは、プライベートではLINE、ビジネスではSlackやMicrosoft Teamsなどを使い、チャット形式でのやり取りが一般的になりつつあります。ユーザーが慣れている形式に入力フォームを合わせることで、離脱率は大きく改善できます」(工藤氏)