ビュースルーCVやオフラインの行動も含めて効果検証 評価が変わるきっかけに
最後は効果検証についてだ。「獲得目的で始めた場合はラストクリックCPAが重要な要素となるが、可能な限り多くの効果検証方法で広告効果を明らかにすることが重要である」と肥田氏は語る。具体的に見るべき効果は次の3つに分けることができる。
- 直接効果(ラストクリックCPA)
- アシスト効果(クロスネットワークレポート/CVリフト)
- 間接効果(サーチリフト/ブランドリフト)
まず直接効果だが、TrueViewのCVには、「クリックCV」「エンゲージメントCV」「ビュースルーCV」の3種類が存在する。この中でビュースルーCVはデフォルトのCVに含まれていないため、評価項目から見落とされがちだと肥田氏は説明し、このように続けた。
「デフォルトではCV列に表示されないビュースルーCVも、YouTube広告の効果を見る際は含めた上で評価を行うと良いでしょう。ラストクリックCPAでは効果がないと判断された場合も、ビュースルーCVまで含めると評価が逆転するケースもあります」(肥田氏)
さらに肥田氏は、発展的な手法としてオフラインCVも含めた評価の重要性をこのように伝えた。
「YouTube広告は、ラストクリックCPAだけで見ると継続が難しいといった側面もたしかに存在します。その場合は、ウェブCV後の情報を加味してみると良いでしょう。たとえば会員登録などのウェブCV地点のCPAだけでなく、その後の予約、来店などを加味してあげることです。動画に触れたユーザーは歩留まりが高いことが多いため、『意外とYouTubeも効果がある』と施策の判断が変わる可能性もあります」(肥田氏)
アシスト効果や間接効果についても、「クロスネットワークレポート」や「ブランドリフト調査」という手段を活用すれば測ることが可能だ。各広告媒体が用意するレポートや調査を活用して広告の価値を可視化し、「小さく始めたものを大きく育てていく動きが重要」だと肥田氏は説明した。
最後に肥田氏は、「先行きが不透明かつ将来の予測が困難なVUCAの時代では、小さな仮説検証を繰り返し、大きな課題解決につなげるアジャイル思考が重要だと考えています。今回お話した『YouTube広告を小さく始める方法』も、リスクを少なく開始し、最後にはビジネス目標の達成につながるよう考えられたものです。ご参加いただいた皆さんにも、これを機にYouTube広告に挑戦してもらえたら幸いです」と語り、セッションを締めくくった。