発見する・磨く・カタチにする クリエイティブを改善する3つのフロー
ふたつめの課題の「クリエイティブ」について、肥田氏は解説を進める。クリエイティブのフローは、アイディアを「発見」「磨く」「カタチにする」の3つに分けることが可能だ。
ひとつめの「発見」について、肥田氏は「どういう動画を作れば良いのか、どういった内容を訴求すべきかわからないと相談を受けることが多い」と続ける。こうした相談に対しては、「顧客インタビューや独自のアンケート調査といった一次情報を基に、『顧客に選ばれる理由』や『顧客のどのような課題を解決しているのか』を発見することが大切」と補足した上で、化粧品総合通販サイトのインタビュー内容例を示した。
「こうした形でインタビュー内容を考え、お客様から1対1で話を聞いた上でどのような課題があるのか明らかにしています」(肥田氏)
アイディアを発見した後には、それが本当に良いものか定量的に検証し「磨く」必要がある。CV獲得目的の場合は配信結果のCPAで判断できるため、「テストしない」という判断でも問題ないが、磨き込みを行う場合は統計調査(クリエイティブテスト)やリスティング広告でのABテストが用いられると肥田氏は説明した。
「カタチにする」フローでは、運用のベストプラクティス同様にクリエイティブでもベストプラクティスを踏襲する必要があると肥田氏は説明した。
「たとえばモバイル環境でのユーザーは、情報の取捨選択を最速で1.7秒程度で行っていると言われています。そのため、冒頭の数秒で注意喚起を行える動画か否かが、獲得効率にも大きく影響を与えます」(肥田氏)
それでは、実際に制作を行う上でどのような点を気にすれば、モバイル環境で最適な動画制作が可能なのだろうか。肥田氏は、「媒体社や制作会社の豊富な知見を利用するのが良い」と語った上でこのように続ける。
「当社が一緒に取り組みを行っているグーグルの『ABCDフレームワーク』や、Kaizen Platformの『成果を出す5つのポイント』を参考にすることで、CPAは劇的に変わってきます。自社の情報だけでやりきるのは困難ですので、有益な公開情報を積極活用することをおすすめします」(肥田氏)