ファンへ想いを届ける八天堂 ビジュアル訴求を極める事例も紹介
記事冒頭でも紹介した八天堂では、「ファンへ想いを届ける」という視点で考えた際に、SNSでは情報が流れてしまうと考え、「メッセージがファンに留まるように」そして「実店舗やECなどすべてのチャネルのハブとする」ことを目的にアプリ導入を決めたと言う。和田氏は「八天堂では、とくに難しい機能を使っているわけではありません」と説明し、「複雑な機能なしに成果は出ない」という固定概念を払拭した。
同社のアプリでは、くりーむパンを一緒に作る体験ストアのスケジュールや実店舗の案内、オンラインストアへの導線やInstagramの投稿紹介コーナーを設けるなど、スタンダードな情報提供がメインとなっている。
「お客様がほしいと思うコンテンツを目の届くところに置くことで効果が現れ、アプリ導入後にECの売上が大きく伸びていると聞いています」(和田氏)
和田氏は、このほかに4つのアプリ活用事例を紹介。サンリオピューロランドの公式アプリでは、アプリアイコンを好きなキャラクターに指定できる「きせかえアイコン」機能を活用、ニュー・ラグジュアリーストア「ESTNATION」では2020年のクリスマス時にアプリ内でポイントカード画面の背景を動画にし、クリスマス感を強く演出した施策を実施している。
アンダーアーマーでは、トレーニング動画内でトレーナーが着用しているウェアを視聴後に購入できる導線を設置するといった工夫を施している。和田氏は「お客様がほしいと思った瞬間に商品にたどり着ける設計が大切です」と補足した。