メディアを使い分け、ファンとの交流を深める神戸レタス
Yappliを用いたアプリ開発事例として、和田氏はまず、マキシムが運営するレディースファッションブランド「神戸レタス」を紹介。
同社は、2014年にスクラッチ開発でアプリ導入をした後、2017年にYappliに移行した。メルマガ開封率の減少と、スクラッチ開発の負担を踏まえて導入を決めたと言う。なお、神戸レタスではアプリだけでなく、顧客の属性に応じてさまざまなSNSやプラットフォームをフル活用している。
図のとおり、新規顧客に対してはモールでの訴求、ファンと新規顧客の中間層に向けてはSNS、コアなファンにはアプリといったように、ターゲットに合わせた情報を発信。セールが好きなファンと相性がよいSNSは割引やフェアの情報を手厚く、アプリでは熱量の高いファン向けにすべての情報を網羅できるような仕組みを作っている。YouTubeで公開している動画についても、アプリからアクセスできるような導線を構築済みだ。
また、同社のアプリは一度ログインした後にIDやパスワードの入力を不要にし、利便性を向上。検索の最適化を施し、豊富なコンテンツへアクセスしやすくしている点も特徴としている。検索においては、売れ行きや注目度が高いアイテムを目立つ位置に表示するほか、スマートフォンで見やすいレイアウトの工夫を施している。
さらに、神戸レタスのアプリ運用の特徴として、和田氏はプッシュ通知を挙げた。
画像つきで通知訴求が可能なプッシュ機能を活用するだけでなく、絵文字などを用いてインパクトのある見出し訴求を行ったり、人のぬくもりを感じさせる文章を作ったりといった工夫を実施。アプリを利用する顧客が次のアクションを起こしたくなるような情報発信を行っているのだ。実際に神戸レタスでは、EC売上が順調に伸びている。
「企業やブランドがどのようなメッセージをどのようなお客様に伝えるべきか把握しており、素晴らしい事例と言えます」(和田氏)