利用率15%!理由は「AI接客を使うことがラクだから」
ふくやのECへの、SELF LINK導入を担当した事業開発ディレクター 山本祐輔さんに導入効果を解説してもらった。
「2020年12月〜1月の、ふくや様のEC全体とSELF LINK利用者を比較したところ、最終コンバージョンの決済完了率が3.6倍という数値が出ています。指標はさまざまありますが、SELFでは導入企業様の売上向上に直結することを目的としており、“決済完了率”をもっとも重要な指標としています」
「単純にすごいなと感じました。まだ導入期間は半年程度ですが、コロナ禍によるECそのものの需要増も影響している中で、今後も好調な数字が継続することを期待しています。数値に表れない部分ですが、今後はお客様にラクに楽しんで買っていただくことを突き詰めていきたいと考えています」(ふくや・大野さん)
利用者のユーザーあたり単価も120%となった。ふくやのECには、明太子以外に福岡の名産もあれば、明太子だけでも辛さなどさまざまな種類がある。SELF LINKによる提案により、迷いなく自分に適した商品にたどり着けたり、当初は候補に入っていなかった商品に気づけたりといったことが起き、アップセルやクロルセルにつながったのではないかとSELF・中路さんは言う。
SELFの調査によれば、一般的な接客ツールの利用率は5%程度。しかしながら、ふくやのSELF LINKの利用率は15%にも上る。メインユーザーが50〜60代と高齢であることから、SELFでもこの結果は驚きを持って受け止めているそうだ。
利用率の高さは、ユーザビリティが貢献している。SELF LINKでのコミュニケーションは選択肢のボタンが表示され、それを押していくもので、提案は商品画像で表示される形だ。
「SELF LINKを利用することがラクだと感じていただけているのではないでしょうか。ECサイトはどんなに見た目を工夫しても、商品コンテンツが何千何万とある場合、目的のものを探すユーザーの負荷が大きい。それに対し、気の利いた提案が先回りしてなされるのであれば、『これを買っておけば間違いないのね』となる。SELF LINKのコミュニケーションとして、サービス側から常に提案がなされ、自ずとユーザーの解にたどりつくことが重要だと思っています。また選択式をメインとしているのは、日本語の自然文でユーザーが入力すると主語や目的語が抜けて齟齬が起こりやすいですし、そもそもユーザー側の検索労力が多くなるからです」(SELF・中路さん)
「贈答用に最適なサイトを作っていたところ、コロナ禍で自宅用のニーズが増えるなど急激な変化が起こり、現在のお客様にとって最適な作りのECにはなっていません。そのことからも、SELF LINKを利用するとラクであると感じるのかもしれませんね」(ふくや・大野さん)
さらに2回目以降の来訪においては、前回以前の来訪時のデータをもとに、たとえば「前回はこちらをお探しでしたよね」といった継続性のある提案ができる。一方で、来訪時によってニーズが異なることも想定し、その都度会話から最適な提案を行えるようにもなっている。
「店舗での接客のように、リピートされるお客様にはより手厚い接客を行うことができます。長期的な関係構築が行えることから、LTVアップにも貢献できます」(SELF・山本さん)
なお、SELF LINKの導入以前から利用していたMAツールの併用は続けている。状況に合わせ、SELF LINKを表示したり、MAツールのポップアップを表示したりと出し分けを行っており、「使い勝手が良い」と大野さんは評している。