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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

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「明太子のふくや」ECで決済完了率3.6倍 おもてなしを自動化 AI接客「SELF LINK」

 「明太子のふくや」として知られる株式会社ふくやでは、自社ECサイトにAIによるセールス接客を可能にするボット「SELF LINK」を導入し、決済完了率3.6倍の実績に結びついた。数ある接客ツールの中でSELF LINKを選んだ理由とは。ふくやのネット通販課 課長 大野雅士さん、SELF LINKを提供するSELF株式会社のふたりに話を聞いた。

決済完了率3.6倍!明太子のふくやが「SELF LINK」導入

 「明太子のふくや」として知られる株式会社ふくやは、1948年に創業、明太子の製造・販売、各種食料品の卸・小売を営んできた。小売販売については、本社所在地のある福岡ほか東京や大阪でも直営店を展開、ギフト需要に応えるべくリアルでの手厚い接客を強みとしている。

 オンライン販売は、1997年より自社ECを開始。こちらもギフト需要が主だったが、2020年のコロナ禍によって顧客の消費行動が激変。巣ごもり消費により家庭用明太子へのニーズが高まり、ECの売上も急増した。

 リアルでの手厚い接客に慣れ、ECの利用には不慣れなユーザーも増える中、より快適にECを利用してもらうためのひとつの取り組みとして、SELF株式会社が提供するAI接客「SELF LINK」を導入。ふくやのEC利用者全体とSELF LINK利用者を比較すると、カート追加率が3.5倍の効果、最終コンバージョンの決済完了率が3.6倍、ユーザーあたりの単価が120%という成果につながった。

 コロナ禍によるデジタルシフトにより、企業もユーザーも利用頻度が格段に向上したチャットボット。数ある接客ツールの中で、何を決め手としてSELF LINKを選び、どのように活用して成果につなげたのか。ふくやのネット通販課 課長 大野雅士さん、SELF LINKを提供するSELF株式会社のふたりに話を聞いた。

株式会社ふくや ネット通販課 課長 大野雅士さん

巣ごもり消費による消費行動の変化 求められるDXとECの進化

 1997年に自社ECでオンライン販売を開始したふくや。50〜60代を中心としたユーザーのギフト需要に応えるべく、ECの目立つ位置にさまざまなギフト商品が並ぶ。ECの責任者である大野雅士さんは、店舗販売、食品卸、商品企画の責任者を経て、コロナ禍のタイミングでネット通販課 課長の立場に就いた。

 コロナ禍で激変したユーザーの消費行動。リアルの直営店舗やコールセンターでの通信販売が強かったふくやでも、社内におけるECの重要度が急上昇。売れ筋商品には家庭用明太子が急上昇し、EC売上の半数を占めるに至った。

 「DXへの課題感は従来からありましたが、コロナ禍により2021年は喫緊の課題となっています。とはいえ、リアルの直営店やコールセンターでの通信販売の売上が9割を占めていることから、コールセンターのCTI化や全体へのクラウドDXの導入などが優先されていました。ECに関してはその後でという順番でしたが、2020年度にEC売上が急増したことから、2021年度はECの強化についても、負荷をかけて進めていく方針になっています。

 ふくやのECでは、おひとりのお客様が複数の配送先にお贈りになるという特徴があり、その用途に合わせて使いやすいよう特別にシステムを組んでいました。ところが、コロナ禍により家庭用明太子へのニーズが高まったり、これまでリアル店舗でお買い物をされていた方々がECをご利用になったり、サブスクリプション型のビジネスモデルが登場したりといったように変化が訪れています。このような変化に対し、システム上の都合から迅速に対応できていないのが課題だと感じていました」

 コロナ禍によるECへの需要増とユーザーの消費行動の変化を受け、ECを強化することとなったふくや。その一手として、2020年10月に導入したのがAI接客「SELF LINK」だった。

「あなただけ」の提案を自動化するAI接客「SELF LINK」

 ふくやでは接客ツールについて、SELF LINKを導入する以前から、ポップアップを表示するMAツールを導入していた。

 「リアルの直営店を持っていることから、接客には力を入れています。ECでも同レベルの接客ができればと、ポップアップを表示するMAツールとは別の接客ツールを探していたところ、ちょうどSELF LINKリリースのタイミングと重なり、提供元であるSELFさんと一緒に良いものを作っていこうという話になりました。目指す接客の姿が同じだったところが、導入する決め手となりました。ともにツールを作っていくという姿勢は現在も継続しており、よりリアルに近い接客が重要である一方、ECにおけるコンバージョン率の高さも突き詰めたいと、試行錯誤しています」

 トライアルを重ねている最中ではあるものの、導入からわずか数ヵ月の2020年12月〜1月には、ふくやのEC全体の利用者とSELF LINK利用者を比較したところ、カート追加率が3.5倍、最終コンバージョンの決済完了率が3.6倍、ユーザーあたり単価が120%という成果につながった。接客ツールはいくつもあるが、その中でSELF LINKは、どのような特徴を持ち、前述のような成果をもたらしているのだろうか。提供元であるSELF 取締役COO 中路慶吾さんはこう語る。

 「SELFでは、SELF LINKに限らず、ユーザーにいかに適切な情報を伝達できるかを基本としてプロダクト開発を行ってきました。ユーザーに適切な情報を届けるには、そもそもユーザーのニーズや特性を理解する必要があります。SELF LINKの前身となるコミュニケーションAI 『SELF TALK』では、会話やコミュニケーションを通して、ユーザーの属性や状況を捉えることを得意としてきました。

  一方でユーザーに対し適切な提案を行うには、提供する情報も整理されていなければなりません。SELF LINKでは、ECの1つひとつの商品を自動解析し、ユーザーの特徴やリアルタイムでのニーズをマッチングしています。これによりユーザーは、単純な検索の延長としてのレコメンドではなく、自身のニーズ・特性に合った商品や情報の発見が可能になります。それにより導入企業様の売上も上がり、当社もお役に立てるというまさに三方良しのツールだと自負しています」

 つまりSELF LINKは、ユーザーと商品の両方を捉え、個々のユーザーに最適な提案をシステム側が主体的に行うのが特徴だ。

 「困っていることをユーザーがテキストで打ち込み、特定のライブラリに検索をかけるのが一般的なチャットボットのアプローチですが、それはユーザーに任せる部分が大きすぎるのではないかというのが当社の考えです。そもそもユーザーは、何に困っているか自覚していない場合が多い。SELFでは、あくまでユーザーを基軸にサービス設計を行ってきました。また、導入企業様が商品や情報提示方法を管理画面で細かく設定をし、PDCAを回すという形も非常に運用負荷が大きいと考えています。ご担当者のスキルによってユーザーへの提示情報に差が出るといった事態にも陥ります。

 SELF LINKのもうひとつの大きな特徴は自動化です。ユーザーと商品双方の属性をとらえ、提案し、商品をご購入いただくまでを自動化しています。設計されたシナリオを分岐することによる自動化を行っているツールもありますが、それは企業側都合のみでユーザーを誘導していると当社では考えています。SELF LINKは、コミュニケーションを通じて捉えたユーザー像に対し、提案するべき情報が自動で飛び込んでいくというイメージです。 SELFは創業より一貫して、ユーザーを軸とした独自のコミュニケーションアルゴリズムを開発しております。そのアプローチや技術的なコア部分があるからこそSELF LINKを提供することができています」(SELF・中路さん)

 「わかりやすく言えば、人に近いコミュニケーションを行うツールです。人は、おしゃべりをしながら相手を理解し、次の会話を行っていきますよね。あらかじめパターンが決まっている単純なシナリオ分岐ではなく、SELFでは独自アルゴリズムによりそのユーザーの属性や状況に適応し、かつただのおしゃべりではなく、相手にメリットがあることを先回りして提案するため、日本的な表現で言う“おもてなし”のコミュニケーションを実現できるのです」(SELF 事業開発ディレクター 山本祐輔さん)

 「SELF LINKを導入した時点から、ユーザーとのコミュニケーションは始まります。よって、ツール導入時点から、コミュニケーションはユーザーが正しくメリットを感じるリッチなものでなくてはならないと当社では考え、それを可能にしています。 経常的なEC上の商品追加やキャンペーン施策などに対しても、自動で更新されます。 実際の店舗での接客は、人柄や商品知識など人によりどうしても接客に差が出てしまいます。 SELF LINKは、膨大な商品把握はもちろん、システムであるからこそどんなお客様でも気軽にやり取りすることができます。 正確な商品把握と個々のユーザーのニーズや特性把握、それらを応用し最適化された情報提供までを自動化しています。導入企業様の運用負荷は限りなく低く、高品質な接客を実現することができます」(SELF・中路さん)

SELF株式会社取締役COO 中路慶吾さん(写真・右)、事業開発ディレクター 山本祐輔さん(写真・左)

 ここまでの機能を備えたSELF LINKだが、サイトにタグを設置するのみで、基本的には個別のシステム開発などは不要で、簡単に導入することができるのも特徴のひとつだ。

利用率15%!理由は「AI接客を使うことがラクだから」

 ふくやのECへの、SELF LINK導入を担当した事業開発ディレクター 山本祐輔さんに導入効果を解説してもらった。

 「2020年12月〜1月の、ふくや様のEC全体とSELF LINK利用者を比較したところ、最終コンバージョンの決済完了率が3.6倍という数値が出ています。指標はさまざまありますが、SELFでは導入企業様の売上向上に直結することを目的としており、“決済完了率”をもっとも重要な指標としています」

 「単純にすごいなと感じました。まだ導入期間は半年程度ですが、コロナ禍によるECそのものの需要増も影響している中で、今後も好調な数字が継続することを期待しています。数値に表れない部分ですが、今後はお客様にラクに楽しんで買っていただくことを突き詰めていきたいと考えています」(ふくや・大野さん)

 利用者のユーザーあたり単価も120%となった。ふくやのECには、明太子以外に福岡の名産もあれば、明太子だけでも辛さなどさまざまな種類がある。SELF LINKによる提案により、迷いなく自分に適した商品にたどり着けたり、当初は候補に入っていなかった商品に気づけたりといったことが起き、アップセルやクロルセルにつながったのではないかとSELF・中路さんは言う。

 SELFの調査によれば、一般的な接客ツールの利用率は5%程度。しかしながら、ふくやのSELF LINKの利用率は15%にも上る。メインユーザーが50〜60代と高齢であることから、SELFでもこの結果は驚きを持って受け止めているそうだ。

 利用率の高さは、ユーザビリティが貢献している。SELF LINKでのコミュニケーションは選択肢のボタンが表示され、それを押していくもので、提案は商品画像で表示される形だ。

 「SELF LINKを利用することがラクだと感じていただけているのではないでしょうか。ECサイトはどんなに見た目を工夫しても、商品コンテンツが何千何万とある場合、目的のものを探すユーザーの負荷が大きい。それに対し、気の利いた提案が先回りしてなされるのであれば、『これを買っておけば間違いないのね』となる。SELF LINKのコミュニケーションとして、サービス側から常に提案がなされ、自ずとユーザーの解にたどりつくことが重要だと思っています。また選択式をメインとしているのは、日本語の自然文でユーザーが入力すると主語や目的語が抜けて齟齬が起こりやすいですし、そもそもユーザー側の検索労力が多くなるからです」(SELF・中路さん)

 「贈答用に最適なサイトを作っていたところ、コロナ禍で自宅用のニーズが増えるなど急激な変化が起こり、現在のお客様にとって最適な作りのECにはなっていません。そのことからも、SELF LINKを利用するとラクであると感じるのかもしれませんね」(ふくや・大野さん)

 さらに2回目以降の来訪においては、前回以前の来訪時のデータをもとに、たとえば「前回はこちらをお探しでしたよね」といった継続性のある提案ができる。一方で、来訪時によってニーズが異なることも想定し、その都度会話から最適な提案を行えるようにもなっている。

 「店舗での接客のように、リピートされるお客様にはより手厚い接客を行うことができます。長期的な関係構築が行えることから、LTVアップにも貢献できます」(SELF・山本さん)

 なお、SELF LINKの導入以前から利用していたMAツールの併用は続けている。状況に合わせ、SELF LINKを表示したり、MAツールのポップアップを表示したりと出し分けを行っており、「使い勝手が良い」と大野さんは評している。

時代に合わせて進化する顧客コミュニケーションのメインチャネルに

 コロナ禍で、売上アップをはじめ会社への貢献度を増すことを求められるEC。2021年度、ふくやのECではどのようなことに取り組んでいくのだろうか。

 「ふくやは、社会貢献のために創業した会社です。利益を産み続けて地域に貢献し、お客様、取引先様と三方良しの関係を作っていくことを目指しています。その企業理念を、EC上でも実現できればと考えています。

 今後ECは、お客様とのコミュニケーションのメインチャネルになっていくでしょうし、なっていかなくてはいけないと考えています。必要とされるECにならなければ生き残れないでしょう。私たちが子どもの頃と比較すると、コミュニケーションの仕方が大きく変わってきました。

 そのようなトレンドに合わせてコミュニケーションの手段を選択することができ、ふくやの特徴が出ることによって他社との差別化ができること。それが、コミュニケーションのメインチャネルとして、必要とされるECの条件であると考えています。そのためにも、今後AI接客が、ふくやのリアルな接客に近しいものになっていけばと考えています」(ふくや・大野さん)

 SELF LINKもツールとして、今後ますます進化していく予定だ。

「SELF LINKは、ユーザーとの結びつきを強め、ウェブ上でお客様が自分がお得意様である、と思っていただけるような仕組みを強化していきたいと考えています。直近でリリースした新機能としては、FAQのような困りごと・悩みごとにかかわる質問をいただいた際に、単なる一問一答的な解決でなく、いかに提案につなげるかの視点で構築しています。カスタマーセンターと営業の垣根をなくし、『そのようなお悩みでしたら、こちらの商品で解決できますよ』といった提案ができるようにしていきたい。より手厚い、シームレスな接客を強化してまいります」(SELF・中路さん)

 「接客ツールもさまざまなものがありますが、作業的なところはツールで自動化すれば良いですし、接客のノウハウなどもツールに反映して、人によって差が出ないようにするべきです。社内でもシナリオは作ることができますし、PDCAを回していくことも可能でしょうが、実際にやってみると本当にたいへんで、商品が増えたらその分時間がかかります。でも、社内でやれば0円だと言う考えかたがあったりする。そう言った見えにくいツール運用コストを軽減するため、SELF LINKが機能拡張していきます。本来やるべき、商品企画など『何を売る』の部分に時間を使っていただければと思います」(SELF・山本さん)

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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