「あなただけ」の提案を自動化するAI接客「SELF LINK」
ふくやでは接客ツールについて、SELF LINKを導入する以前から、ポップアップを表示するMAツールを導入していた。
「リアルの直営店を持っていることから、接客には力を入れています。ECでも同レベルの接客ができればと、ポップアップを表示するMAツールとは別の接客ツールを探していたところ、ちょうどSELF LINKリリースのタイミングと重なり、提供元であるSELFさんと一緒に良いものを作っていこうという話になりました。目指す接客の姿が同じだったところが、導入する決め手となりました。ともにツールを作っていくという姿勢は現在も継続しており、よりリアルに近い接客が重要である一方、ECにおけるコンバージョン率の高さも突き詰めたいと、試行錯誤しています」
トライアルを重ねている最中ではあるものの、導入からわずか数ヵ月の2020年12月〜1月には、ふくやのEC全体の利用者とSELF LINK利用者を比較したところ、カート追加率が3.5倍、最終コンバージョンの決済完了率が3.6倍、ユーザーあたり単価が120%という成果につながった。接客ツールはいくつもあるが、その中でSELF LINKは、どのような特徴を持ち、前述のような成果をもたらしているのだろうか。提供元であるSELF 取締役COO 中路慶吾さんはこう語る。
「SELFでは、SELF LINKに限らず、ユーザーにいかに適切な情報を伝達できるかを基本としてプロダクト開発を行ってきました。ユーザーに適切な情報を届けるには、そもそもユーザーのニーズや特性を理解する必要があります。SELF LINKの前身となるコミュニケーションAI 『SELF TALK』では、会話やコミュニケーションを通して、ユーザーの属性や状況を捉えることを得意としてきました。
一方でユーザーに対し適切な提案を行うには、提供する情報も整理されていなければなりません。SELF LINKでは、ECの1つひとつの商品を自動解析し、ユーザーの特徴やリアルタイムでのニーズをマッチングしています。これによりユーザーは、単純な検索の延長としてのレコメンドではなく、自身のニーズ・特性に合った商品や情報の発見が可能になります。それにより導入企業様の売上も上がり、当社もお役に立てるというまさに三方良しのツールだと自負しています」
つまりSELF LINKは、ユーザーと商品の両方を捉え、個々のユーザーに最適な提案をシステム側が主体的に行うのが特徴だ。
「困っていることをユーザーがテキストで打ち込み、特定のライブラリに検索をかけるのが一般的なチャットボットのアプローチですが、それはユーザーに任せる部分が大きすぎるのではないかというのが当社の考えです。そもそもユーザーは、何に困っているか自覚していない場合が多い。SELFでは、あくまでユーザーを基軸にサービス設計を行ってきました。また、導入企業様が商品や情報提示方法を管理画面で細かく設定をし、PDCAを回すという形も非常に運用負荷が大きいと考えています。ご担当者のスキルによってユーザーへの提示情報に差が出るといった事態にも陥ります。
SELF LINKのもうひとつの大きな特徴は自動化です。ユーザーと商品双方の属性をとらえ、提案し、商品をご購入いただくまでを自動化しています。設計されたシナリオを分岐することによる自動化を行っているツールもありますが、それは企業側都合のみでユーザーを誘導していると当社では考えています。SELF LINKは、コミュニケーションを通じて捉えたユーザー像に対し、提案するべき情報が自動で飛び込んでいくというイメージです。 SELFは創業より一貫して、ユーザーを軸とした独自のコミュニケーションアルゴリズムを開発しております。そのアプローチや技術的なコア部分があるからこそSELF LINKを提供することができています」(SELF・中路さん)
「わかりやすく言えば、人に近いコミュニケーションを行うツールです。人は、おしゃべりをしながら相手を理解し、次の会話を行っていきますよね。あらかじめパターンが決まっている単純なシナリオ分岐ではなく、SELFでは独自アルゴリズムによりそのユーザーの属性や状況に適応し、かつただのおしゃべりではなく、相手にメリットがあることを先回りして提案するため、日本的な表現で言う“おもてなし”のコミュニケーションを実現できるのです」(SELF 事業開発ディレクター 山本祐輔さん)
「SELF LINKを導入した時点から、ユーザーとのコミュニケーションは始まります。よって、ツール導入時点から、コミュニケーションはユーザーが正しくメリットを感じるリッチなものでなくてはならないと当社では考え、それを可能にしています。 経常的なEC上の商品追加やキャンペーン施策などに対しても、自動で更新されます。 実際の店舗での接客は、人柄や商品知識など人によりどうしても接客に差が出てしまいます。 SELF LINKは、膨大な商品把握はもちろん、システムであるからこそどんなお客様でも気軽にやり取りすることができます。 正確な商品把握と個々のユーザーのニーズや特性把握、それらを応用し最適化された情報提供までを自動化しています。導入企業様の運用負荷は限りなく低く、高品質な接客を実現することができます」(SELF・中路さん)
ここまでの機能を備えたSELF LINKだが、サイトにタグを設置するのみで、基本的には個別のシステム開発などは不要で、簡単に導入することができるのも特徴のひとつだ。