決済完了率3.6倍!明太子のふくやが「SELF LINK」導入
「明太子のふくや」として知られる株式会社ふくやは、1948年に創業、明太子の製造・販売、各種食料品の卸・小売を営んできた。小売販売については、本社所在地のある福岡ほか東京や大阪でも直営店を展開、ギフト需要に応えるべくリアルでの手厚い接客を強みとしている。
オンライン販売は、1997年より自社ECを開始。こちらもギフト需要が主だったが、2020年のコロナ禍によって顧客の消費行動が激変。巣ごもり消費により家庭用明太子へのニーズが高まり、ECの売上も急増した。
リアルでの手厚い接客に慣れ、ECの利用には不慣れなユーザーも増える中、より快適にECを利用してもらうためのひとつの取り組みとして、SELF株式会社が提供するAI接客「SELF LINK」を導入。ふくやのEC利用者全体とSELF LINK利用者を比較すると、カート追加率が3.5倍の効果、最終コンバージョンの決済完了率が3.6倍、ユーザーあたりの単価が120%という成果につながった。
コロナ禍によるデジタルシフトにより、企業もユーザーも利用頻度が格段に向上したチャットボット。数ある接客ツールの中で、何を決め手としてSELF LINKを選び、どのように活用して成果につなげたのか。ふくやのネット通販課 課長 大野雅士さん、SELF LINKを提供するSELF株式会社のふたりに話を聞いた。
巣ごもり消費による消費行動の変化 求められるDXとECの進化
1997年に自社ECでオンライン販売を開始したふくや。50〜60代を中心としたユーザーのギフト需要に応えるべく、ECの目立つ位置にさまざまなギフト商品が並ぶ。ECの責任者である大野雅士さんは、店舗販売、食品卸、商品企画の責任者を経て、コロナ禍のタイミングでネット通販課 課長の立場に就いた。
コロナ禍で激変したユーザーの消費行動。リアルの直営店舗やコールセンターでの通信販売が強かったふくやでも、社内におけるECの重要度が急上昇。売れ筋商品には家庭用明太子が急上昇し、EC売上の半数を占めるに至った。
「DXへの課題感は従来からありましたが、コロナ禍により2021年は喫緊の課題となっています。とはいえ、リアルの直営店やコールセンターでの通信販売の売上が9割を占めていることから、コールセンターのCTI化や全体へのクラウドDXの導入などが優先されていました。ECに関してはその後でという順番でしたが、2020年度にEC売上が急増したことから、2021年度はECの強化についても、負荷をかけて進めていく方針になっています。
ふくやのECでは、おひとりのお客様が複数の配送先にお贈りになるという特徴があり、その用途に合わせて使いやすいよう特別にシステムを組んでいました。ところが、コロナ禍により家庭用明太子へのニーズが高まったり、これまでリアル店舗でお買い物をされていた方々がECをご利用になったり、サブスクリプション型のビジネスモデルが登場したりといったように変化が訪れています。このような変化に対し、システム上の都合から迅速に対応できていないのが課題だと感じていました」
コロナ禍によるECへの需要増とユーザーの消費行動の変化を受け、ECを強化することとなったふくや。その一手として、2020年10月に導入したのがAI接客「SELF LINK」だった。