Shopifyで定期通販 開始当初に立ちはだかる課題点
ECzine読者の皆様、はじめまして。「YOU TOKYO」というヘアケアブランドでEC事業を展開しています株式会社フロアスタンダード 代表の高松です。当社は広告代理業からスタートし、2018年の終わりからヘアケアブランドを立ち上げました。現在はShopifyでECサイト運営をするとともに、当社が自社開発したShopify専用の定期通販システム「Mikawaya」を利用し、現在定期通販で売上を好調に伸ばしております。
Shopifyで定期通販を開始するにあたり、当初はShopify既存の定期通販アプリの活用も検討したのですが、同アプリは「日本の商慣習に適合してない」という高い壁がありました。課題点を具体的に挙げると、下記のとおりです。
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管理画面が日本語に対応してない
→海外の定期通販アプリは日本語に対応しておらず、設定が難しい -
お客様の入力フォームが海外の仕様になっている
→姓名の入力フォームが逆であることに加え、住所に郵便番号の概念がなく、お客様がスムーズに住所を入力できない -
決済の選択肢の幅が狭い
→現金文化が残る日本で、クレジットカードでしか決済ができない -
LPを制作してもダイレクトリンクが作れない
→定期通販用のLPからカート画面に飛ばしても、都度購入・定期購入の選択肢が表示されてしまい、定期購入を選択されない可能性がある -
倉庫との連携が必須になる初回と2回目以降に届く商品が違う、といった定期便のテクニカルな設定ができない
→LTV向上のためのCRM戦略の自由度が低い
これらは、商品購入に至るまでのお客様の離脱につながる重大な問題でした。ここをまず解消しなければShopifyで日本特有の定期通販の商慣習の仕組みを作り、売上を向上させることは難しい。そう感じ、長年単品定期通販のマーケティングをしてきた私とEC事業で100億円規模の売上を作ってきた当社の事業責任者の監修で、新たな定期通販システム Mikawayaの制作に取り組みました。
当記事では、定期通販業界の動向や当社がShopifyを導入した理由、定期通販システム Mikawayaを開発した経緯やEFO(Entry Form Optimization:入力フォーム最適化)をメインとしたソリューション、Shopifyで定期通販を開始してからの実績についてお伝えしてまいります。次回以降は、Shopify×定期通販におけるロジスティクス、決済・CRMの運用、業種別の活用方法、モールとの連携などについて言及する予定です。これからShopifyでECサイトを制作しようと検討されている方や、Shopifyで定期通販の開始を検討されている方の参考になればと思います。