売上増加のために狙うべき客単価帯を把握する
売上増加を目指して在庫を増やすのは、注文件数(販売数)を増やすためだ。これは、売上を増やすには「数」を売る必要があるという従来の考え方に基づいている。そして各社とも、「数」を売るために「率」の改善に注力するのだが、瀬川さんによれば、数を追いかけなくても売上を増やす手段はあり、それをFULL KAITENの売上増加機能として実装しているという。
まず、鍵となるのは「客単価」だ。売上は注文件数×客単価であり、売上を注文件数で割った値が客単価である。数(注文件数)を追わずに売上を増やすには、この客単価を上げればよいということになる。
「FULL KAITENには、客単価帯別の注文件数の分布を棒グラフで可視化する機能があります。これにより、現在の売上がどのような客単価帯で構成されているのか、どの客単価帯が注文件数のピークになっているのかなどもすぐに把握できます」
客単価を上げるためには、注文件数がピークになっている客単価帯よりも高い客単価帯の注文件数をもっと増やす必要がある。たとえば、現在のピークが3,000〜4,000円なら、「4,000〜5,000円」の客単価帯の注文件数を増やす施策を打つというように、棒グラフから「狙うべき客単価帯」が見えてくるというわけだ。また、複数店舗を運営している場合なら、店舗別にこれらの情報を見ることが可能だという。
「狙った客単価帯の注文件数を増やして売上増加に成功しながら、トータルの注文件数はあまり変わらないというケースが実際に多いですね。お客様の懐事情は短期間で大きくは変わらないので、必然的に下の客単価帯の注文は減っていきます 。合計の注文件数がほとんど変わらない状態で売上が増加するということは、運賃などのコストを考慮した時に利益が増加することになりますので、FULL KAITENユーザーの皆様には非常に喜んでいただいています」