情報分析基盤としてAlibaba Cloudを活用する
Alibaba Cloudは、こうしたニューリテールを支えるさまざまなテクノロジーを提供している。とはいえ、Alibaba Cloudを使えばすぐにニューリテールを実現できるわけではなく、下牧氏は「大きく3つのステップが必要」だと指摘する。
「まず最初のステップは、現在持っているデータの活用です。今ある情報を分析・活用することで何が足りないのか、また、オンライン側にとってはオフライン、オフライン側にとってはオンラインで、どのような情報が必要なのかが把握できます。その次のステップとしてオンラインとオフライン双方のデータの活用に取り組み、その先に見えてくるのがニューリテールです」
この最初のステップである「現在持っているデータの活用」において、Alibaba Cloudは強力な情報分析基盤として活用できるという。すでに日本でも、IaaS(サーバーやストレージ)としての機能だけでなく、データ分析関連のプロダクトが多数提供されている。たとえば、大規模データ分散処理プラットフォームの「MaxCompute」やビッグデータ用プラットフォーム「DataWorks」、分析結果をアウトプットとして活用するツールとしてデータ可視化の「DataV」、予測レコメンドの「Recommendation Engine」などがある。
実際に、自社データベースの売上、顧客、商品などの各種データをAlibaba Cloudのリレーショナルデータベース(RDS)やオブジェクトストレージ(OSS)に保存し、DataVによる可視化およびMaxComputeによる分析処理を行っている日本企業の事例もある。下牧氏によれば、そのような情報分析基盤を月額15万円ほど(※データ量や構成により異なる)で利用できるという。