アジア事業が回復のPPIH 「DON DON DONKI」をチェック
ユニクロなども入居する大型デパートに入っている、DON DON DONKI オーチャードセントラル店。朝の9時に訪問したため他テナントは営業開始前だったが、DON DON DONKIは24時間営業だ。現地向け商品が多いかと思いきや、日本のものが大半を占める。品質への安心感から、シンガポール在住の日本人だけでなく現地の人々も買い物に来るという。

ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が発表した2025年6月期第3四半期決算では、アジア事業の売上高が前年同期比8.6%増の669億6,800万円、営業利益は421.8%と大幅増の11億9,500万円だった。一時は苦戦していたかに見えたものの、大きく改善されている。DON DON DONKI オーチャードセントラル店は、そんな同社のアジア事業においてオープンされた東南アジア1号店だ。
日本でドン・キホーテといえば、“格安”のイメージをもつ人が多いのではないだろうか。一方で、シンガポールでは品質の良い日本商品を販売するため、大幅に価格が安いわけではなさそうだ。
また、もう一つ日本の店舗との大きな違いがある。食品コーナーの充実度だ。お菓子やカップラーメンなど以外にも、総菜品が非常に多い。それらは、ほとんど店内で調理されているという。朝早かったものの、複数人の従業員がキッチンで準備をしていた。

シンガポールでは、家庭で料理をする機会が比較的少ないといわれている。夕食はもちろん、朝食も外の店舗で購入するのが一般的だ。そのため、DON DON DONKI オーチャードセントラル店でも、日本の店舗より総菜コーナーが重要視されているのだろう。
近年は日本でも宅食サービスの需要が増えている。その背景には、女性の社会進出や共働き家庭の増加がある。今後は、日本でも同店舗のような業態が増えるかもしれない。